地下足袋という選択
地下足袋を日常的に履くようになって数年経つ。
持っていた靴は全て捨てた。
私はこの先、季節とTPOに合わせてた地下足袋もしくは島ぞうりくらいしか履かないだろう。
地下足袋を履くとその日の体調が分かる。
コハゼがスムーズにはめられると体調が良く、足がむくんでいるとコハゼが思うようにはまらず体調がイマイチだと気づく。
地下足袋は人とのコミュニケーションを作るツールの1つになるという事も知った。
沖縄県の久高島を訪れた際に、地元のおじいちゃんは私の足元を見て、「その地下足袋はどこに行けば買える?」と真剣に声をかけられた。
那覇市にある世界遺産、琉球園庭の1つである識名園では外国人観光客に「nice Shoes!」とグーサインをもらった。
思わず「地下足袋です。」と答えてしまったことは反省しかない。
地下足袋を履いていると、地面感を感じ過ぎないか?と頻繁に質問を受ける。
答えは決まって「さほど気にならないです」だ。
親指が独立し地面を感じて地面をつかんで歩ける快適さは、もはや中毒に近い。
雨でも雪でもどんどん突き進める。
どこまででも歩いて行ける自信が地下足袋から湧いてくる。
そしてもう1つ、私が地下足袋を履いていていいなぁと思うところ、それは地下足袋は足音が立たないところだ。カツカツと音を立てて歩くハイヒールよりも、ずっとずっと地球に優しいはずだ。
これからの人生を、ペタリ、ペタリ地球に寄り添って歩む。