アイドルオタクの凄技
人の体の癌の中で、個人的にかなり複雑と感じるのが、
卵巣とか子宮の腫瘍です。
とにかくたくさん種類があります。
多くのケースで手術になるのですが、手術の前に検査をします。しかし、たくさんの種類があるにも関わらず、決め打ちするのがなかなか難しいです。
こんなにあります
ある腫瘍の特徴があるからといっても、他の腫瘍の場合があります。
これは、人を誰かと見間違えるみたいな現象に近いかもしれません。
街ですれ違った人が、顔やシルエットが似ている自分の知り合いかと思った、という経験は結構いると思います。
でも、この図でもあるように、基本的には命に別状がない良性、命を落とす悪性、その中間の境界悪性と三種類あり、人と違って見間違えると、人生が終わってしまいます。なので、慎重に判断しないといけませんが、
あるベテランの医師にどれくらいの打率(自分が判断した腫瘍が手術した時どれくらい正解だったか)をこそっと聞いてみたところ、「全体として5割いかない、3割くらいかもしれない。」といっていました。
僕もわかりやすい一部のケースはいいものの、全体としてはそれくらいだと思います。
そのベテランと僕の技術が低く、超エキスパートならもっと高いかもしれませんが、それでも完璧は無理でしょう。
一方、赤ちゃんにもたまにいますが、けいれん、ひきつけを起こす人がいます。(子供だと熱性けいれんが有名)
脳の電気活動の一部にもともと障害があったりする人が、手足が硬直して、ガタガタ震え始めるといった症状が出て、意識がなくなる場合も多いです。けいれんの原因の一部として、てんかんがあります。
これらの人は、突然けいれんが始まって意識がなくなると、吐いたりして窒息したりして窒息の危険があったりします。したがって、普段から薬を飲むことでけいれんを抑え、問題なく生活を送れるようにするのが大切になってきますが、
実際どんなけいれんが起きているかで、原因も絞られてきたりするので、けいれんの最中などに、頭に電極をつけて、電気信号を読み取る脳波検査をやります。けいれんの間は脳の中の電気信号の伝達がおかしくなるので、より詳しい情報が得られます。脳波の波形を見て、原因を推測します。
ところが、この脳波検査、専門の医者が見ても、答えが一致しにくいことがわかっています。ある脳波の医者に聞くと、一致率は30%程度といっていました。
僕もやってみてフィードバックを受けましたが、経験がある人でも「多分ここの波形は⚪︎⚪︎派だろう」という言い方でした、断定的ではなかったですね。
(脳波)
客観的なデータを判断するのにも関わらず、ほとんど当てずっぽうみたいな確率でしかヒットさせることができません。
けいれんの原因もたくさん種類があります。
先述の卵巣がんといい、かなり弱々しい数字ですね。
病気は一つでも見た目のバリエーションにかなりばらつきがあるのか、
そもそもサンプル数が少ないので、人間の学習が追いつかないのかもしれません。
一方で、人の顔って見分けやすいですよね。特に同じ人種の顔は見分けやすいです。誰にも見分け方を教えてもらっていないのに、かなりの確率で見分けることができます。
人によってはアイドルグループのメンバーを全部見分けられる人がいますよね、10代後半から20代で可愛い女性を集めたら、だいたい同じ顔になるのにです。
映像でも、なんでアイドルは別物に見えて、癌や脳波は正確に見分けられないのでしょう。
僕の妄想ですが、癌の姿や、脳波の波形は、情報が多すぎるのかもしれません。
癌の姿はとてもごちゃごちゃしていて、全く同じ形で一部違っている顔のようなものではなく、形も大きさも全然違い、一部の特徴を拾い出して判断せねばならないです。
また、脳波も、波形の量(印刷すると軽く本くらいになります)と、複数の電極の波形(同じ時刻でも電極ごとに波形が違う)で、やはり大量の特徴や情報の中で判断せねばなりません。
情報が多すぎるが故に、最終的な判断にエラーが入る余地が多いのかもしれません。また別の機会にお話ししますが、情報を大量に入れると、脳での処理は不正確になってくることがわかっています。