あるけど見えない病気



牡蠣とか食べたわけでもないのに、下痢がずっと続く病気があります。
病院で検査をしてもわからないことが多く、
検査にも映らないことが多いゴーストのような病気を紹介します。

患者さんが下痢が止まらないとなると、病原体の感染である場合が多いですが、
下痢とは腸の炎症なのですが、比較的すぐに治ることが多いです。
管状の構造なので、感染した組織や病原体そのものが流れ出ていくからですね。

ところが、ずっと続いていると別な可能性を考えなくてはいけません。

結構有名人とかでもなっている人がいる、潰瘍性大腸炎とかですね。

ただ、これら長期にわたる症状のある腸炎は、炎症が長く続くせいで腸の組織が壊れて、内視鏡などで見るとはっきりする場合が多いです。

逆にはっきりしない場合は、ちょっと困ってしまいます。

検査技術の発達により、下痢とかでも画像検査される場合が多くなってきています(内視鏡の方が直接見るので検査としては優秀です。)

胃薬や痛み止めを服用している患者さんで、下痢が続いていると、際立って異常のない
顕微鏡的大腸炎という病気があります。

http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-kameda-210322.pdf

内視鏡で異常が見える場合もあれば、見えない場合もあり、
組織を直接取ってきて、顕微鏡で見ることでわかるというネーミングだと想像します。

画像検査でも、はっきり見えにくいので異常なしの場合が多いです。

今や誰にでも処方される、サブスクリプションと化している胃薬や痛み止めの長期処方が原因の一端をになっているのはほとんど確実です。


異常があって、病気の名前を言っておけばいい時代は終わり、

あらゆる状況で検査ができるようになったので、

異常がなくても闇雲に「わかりません」というのは求められていなくて、これはと思う特徴があれば、提案しないといけないという時代に突入しているかもしれません。