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厄介な未来を運んでくる厄介な病原体


人の体の異常は、怪我、できもの、感染などとはっきり区別しにくいことがありますが、

体に病原体が存在していることにより、向き合った人の頭にたくさんのケースが浮かび、困ってしまうものがあります。
今回は、全身のどこに感染がおきてもおかしくない微生物の一つを紹介します。

放線菌という菌があります。
この微生物は細菌なので、薬があり、それを投与すれば治ります。

https://www.jsmm.org/common/jjmm48-4_186.pdf

しかし、例えば放線菌の一種では、肺に感染して、肺がぼろぼろに破壊されていく自体になってしまうことがあります。
(肺ノカルジア症といいます。)
他に、肺がぼろぼろに破壊されていく病気の筆頭は、癌です。

どちらも同じように破壊されるので見分けがつかないときがあります。

また、内臓に感染すると、内臓を破壊するようにひろがっていくので、例えば大腸癌と見分けがつかない場合があります。

癌と見分けがつかないと、手術して余計に臓器をとってしまうことがありえます。

ここまでは、よくある技術的な難点ですが、

問題は元気なこんな病気にはならないということです。

元気なというのは、病原菌に対する攻撃システム(免疫)が問題ないという状態です。

つまり、攻撃システムに異常がある可能性があるのです。
https://is.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/042090810j.pdf

この異常の原因のなかで、はっきり現れてこないケースについては、どこか頭の片隅においておかねばなりません。

その代表はHIV感染症です。
HIV感染症は、進行するとAIDSになり、通常は起こらないさまざまな異常が現れます。

HIV感染症それ自体は症状はありません。攻撃システムの不調により様々な異常がでてくるので、そのパターンからHIV感染症を予測したり、血液検査の結果から推測することが大事になってきます。

HIV感染症の他には、癌がある場合です。
癌になると攻撃システムが低下します。癌と似ているのに、本当に別のところに癌がある場合もあるのです。

何が言いたいかというと、この病原菌の存在はかなりやっかいです。
あるかもしれないと思った瞬間に、さまざまなケースが想定され、そのパターンごとに当てはまっているかチェックしないといけません。

この病原菌は患者にとってというより医学にとってはるかに厄介とも言えます。