人間の理解には動物を見る必要がある
医学の教科書には、動物について書かれてから、次第に人間の仕組みについて記述されているものもあります。
人間の体の働きは、動物のそれと比較しないとわからない場合が結構あります。
例えば、解剖学の講義の時、
人間の足や踵の仕組みを理解させるのに、
「キリンのイラストをかけ」と言われて、イメージ上のキリンの脚と、実際の脚の違いを教授が説明してくれました。
キリンの踵は、脚の中腹にあり、地面についていないんですね。
こちらに詳しく書かれています。
https://toyokeizai.net/articles/-/621612
歩行の仕組みでは、ゴリラや、チンパンジーの歩行と比較されます。例えばゴリラはナックル歩行ですし、チンパンジーの二足歩行は、脚を屈曲しながら歩いていたり、足のアーチ構造などが人間と異なっているので、エネルギー的に非効率的であることがわかっています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/38/3/38_169/_pdf
一方、動物の行動を研究したある研究者を紹介します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/コンラート・ローレンツ
コンラート・ローレンツというオーストリアの動物行動学者がいました。優れた動物の行動の研究により、ノーベル医学生理学賞を受賞しています。
彼の著書によると、
と言っています。
動物の行動面に注目して研究することで、背後にある人間の行動について見通していたのでしょうか。
確かに人間の体だけ見ていると、なぜこんな構造や働きになっているのか、首を傾げる時がありますが、動物の解剖などを見ていると、閃く時があります。
そういえば、コンラート・ローレンツも、元々は医者でした。