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医師が見るロンドンの街並み①
イギリスの首都ロンドンの町並みを人の身体の視点から見てみたことを紹介したいと思います。
日本だと、片側○車線と言われるように、一定の規則にしたがって道路が設計されていますし、大阪の中心部や京都などは碁盤の目になっており、街の中の道路が都市計画の中で規則的に配置されているところもあります。
運転しなくても実際行って観察してみるとわかりますが、ロンドンの道は一車線と一方通行ばかりで、道の規則性がほぼないです。
道の規則性がなく特に碁盤の目状になっていないと、斜めの交差点ばかりで、一つの目的地に至る最短経路がほぼ一通りになります。さらに道路の混み具合、通行止めのルートを覚えるのはかなり大変そうです。
一車線で一方通行なのは、京都と同じで街が古いため車社会の前の作り(特に馬車とか)を引き継いでいること、日本のように空襲で焼けたりしていないので幅員拡張ができなかったことなどが想像されます。
これだけ複雑だと、タクシー運転手になるのはとても難しい試験になるそうです。
僕は実際街を眺めるまで知識でしか知りませんでしたが、ロンドンのタクシー運転手の脳の一部、特に海馬と呼ばれる記憶を司る領域は大きくなっていることがわかっています。しかも経験年数が増えると大きさも大きくなっていたそうです。
研究結果はこのような複雑な空間でトレーニングされると脳の構造自体が変化することを示しています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hipo.20233
試しに町並みをみてみると
東京
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京都
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大阪
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ロンドン
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ロンドン シティ
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いずれも中心街ですが、特にロンドンのシティはカオスであることがわかります。
このカオスが脳の構造を変えうるんですね。ロンドンの全身、ロンディニウムを造ったローマ人は思いもよらかったでしょう。
なりたい方は応募してみて、脳のトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。
もし行かれる方はそういった視点で見てみてはいかがでしょうか、新鮮だと思いますよ。