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医師がいつ起きてもいい朝を2年以上続けた結果

朝何時に起きてもいい人はほとんどいないんじゃないでしょうか。
そんな生活を2年以上続けています。
体験談をお話しします。

ほとんどの人と同じように、勤め人だった頃は、朝何時に職場につかなければいけないので、何時に起きねばならなかったです。
ちょっと寝つきが悪くて、遅く寝た日でも朝起きるのは決まった時刻ですよね。

僕はそれが疑問でなりませんでした。
人間なんだから夜遅くなる日もあるし、少し早くある日もあって変動があるはずです。
職場の都合で決めた始業時間に、自分の生理的な状態を無理やり合わさないといけないのが、どうしても嫌でした。

年収がかなり下がったとしても、いつ起きてもいい生活がしたかったです。
僕の知り合いで、その生活になった人が何人かいて、「世界が違って見える」と口々に言いました。

僕が体験した変化について3つほどポイントにまとめました。

まず、初めに分かったのは、自分がどれくらい寝ればスッキリするか分かった、です。

そんなの当たり前だろと思うかも知れませんが、
実は意外と分かっていないと思います。

日々のほとんど仕事や予定が詰め込まれていると、本当は寝れていると思っていても、実際には寝れていない可能性があります。

僕はこの生活を始めるに先立って、職場の1週間の夏休みで、自由に寝て起きるをリハーサルしてみました。
そうすると、3、4日くらい経つと、だいたい気持ちよく眠りについて、スッキリと起きる時間が分かってきます。
僕は仕事をしている時より、1、2時間遅く寝て、1、2時間遅く起きるのが一番パフォーマンスが良いことがわかりました。

つまり、仕事をしている間は、先述の通り、体の本来のリズムよりズレて寝ているので、ちょっと無理して生活していることってことがわかりました。

この事実が分かった時新しい生活を始めるモチベーションが強くなりました。
もちろん今も自分の生理的な時間帯に寝るようにしています。
そして朝週のほとんどは目覚ましをかけないで起きています。

二つ目は、睡眠は季節によって変わる、です。

よく冬は布団から出るのが辛いという体験を聞きますが、
あれは、気温が下がるせいで、体温が下がって睡眠の質が上がることがからきていると言われています。

僕の場合は、冬の方が30分−1時間程度長くなります。
これも意外に貴重な経験かなと思っています。
なぜなら、同年代の働き盛りの人たちは、自由に寝ていい期間が長期的に取れる人はまずおらず、
この変化を体験している人は少ないと予想されるからです。

なので、夏も冬も同じ時間に起きると、やはり相対的に睡眠時間が減ってしまいます。30分や1時間は日常生活に影響があるレベルです。冬は夏より長く寝た方がいいに決まっています。

三つ目は、眠れなくなる、です。ここは一番強調したいポイントです。

いつ起きてもいい生活を送っているのになぜ眠れなくなるのか?疑問だと思います。

いつ起きてもいい状態になると、自由時間が多いです。
そうなると、仕事に忙しい人は、遊びに使えるとか、趣味に没頭できるとか思うと思いますが、
それは、時間が乏しいからです。

時間が無限にある感覚になると、これ見よがしに楽しい時間にしよう!とならなくなります。
楽しい時間を作ることはもちろんできます、でも生活全体の時間の捉え方がガラッと変わるのです。
どうなるかというと、考えることがとにかく増えます。
日常の些細ないことから、自分に対する内省、もしこうでなかったらという思考実験といった考え事がかなり増えます。今まで目もくれなかったことにもいちいち考えを巡らすようになります。

これは僕だけでなくて、話を聞く限り、同じような生活をしている人は、多かれ少なかれ多くの人が経験することのようです。中には、考えるのがめんどくさすぎて仕事をとにかく入れたがる人もいます、特に今まで超忙しく仕事をしていたのにいきなり引退した人などはなりやすいですね。

普段仕事で忙しい人は、目の前の仕事が強制的にそういった考え事からシャットダウンさせてくれていると捉えるとわかりやすいです。

この生活を始めてから半年くらい経った頃から、考え事がずっと続くせいで、睡眠がうまく取れなくなってきました。
夜はいつも通りに寝ますが、中途覚醒と言って朝早く起きてしまうことが週何回も起きて、体は疲れているけど眠れないといったちょっと辛い状態を経験しました。やはりこの状態を経験した人も稀ではないようです。

最初はなぜなのかわからなかったのですが、時間が無限にあり、仕事みたいに強制的にやることに気を向けなくていいので、寝ている間にも処理が続くようです。これについての考察は別の機会にお話しします。

日常の記録をひたすらつけ続け、さまざまな対策を考えて実行してきた果てに辿り着いたのは、瞑想でした。

記録を集計してみると、寝る前の数時間に考え事をしてそのまますぐ寝ると、翌朝中途覚醒になって睡眠不足になりやすいことがわかりました。

訓練として、考え中から頭をシャットダウンし、寝ている間も考えが止まった状態にすると、良い睡眠が取れるのではと考え、夕方や寝る直前に、瞑想を数時間やることで、かなり変わりました。

以前の頻度が10だとすると今は1、2くらいで、途中で起きてしまった朝も、瞑想することで再度入眠でき、スッキリ起きれるようになりました。

自由に起きれるようになっても、なかなか睡眠の問題が全て解決というわけではありませんでした。
でも、記録をつけて、工夫することで、自分がどうやって寝ているのか深く理解できましたし、結果として自分にとってより自然な眠りになっています。

お金のある人はいますし、地位のある人はいます。
僕はそんなのにまったく興味がありませんでした。
僕が欲しかったのは、時間でした。
誰と比べるわけではないですが、睡眠の自由では、僕は大富豪だと思っています。

巨万の富と、名声は得るのは大変ですが、寝るのに全振りするのは工夫次第でそこまで大変ではないでしょう。
そして、意外と、何もかも手に入れているように見える人が欲しているものかも知れません。