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右脳と左脳を繋ぐ橋


右脳とか左脳トレーニングとかがありますが、それらを繋いで情報交換する脳の部位があります。

脳の梁(はり 建物の棟をささえる横木)と書いて、脳梁(のうりょう)と呼びます。

脳の左右を横に走っている線維が通っているからですね。


https://ja.wikipedia.org/wiki/脳梁#/media/ファイル:Corpus_callosum.png


https://ja.wikipedia.org/wiki/脳梁

(脳を顔面と平行な面で切った断面)



これらを何らかの形で切断すると、正しい音が発音できなくなったり(失語)、見えているのに手で物がとれなくなったり(視覚性運動失調)、左手で指示された動作ができなくなったり(左手の失行)、左手で文字がかけなくなったり(左手の失書)します。また、左右の手の動きが一致しなくなったりします。

要するに左右の脳のつながりによる複雑な処理ができなくなります。(発音や書字も左右の脳どちらかに機能が偏っています。)こうなると、複雑な作業が難しくなりますよね。

ちなみに、手術で、脳梁を切る場合は、安全な場所というものがあるそうです。
また、切断しても目立った障害がない人もいて、機能検査でやっとわかることもあるそうです。

https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/anatomys/corpuscallosum/

話を戻すと、実は先天的にこの脳梁がない人がいます。(脳梁欠損症)

脳梁がないということは、胎児の段階で形作られなかったということです。

そうなると、他の部位もきちんと形作られていないケースが多いわけです。
例えば、Chiari 2型奇形と呼ばれる先天奇形があります。
脳梁がなく、脳の一部にも形がおかしかったり、脊髄を包む膜の形がおかしかったりします。となると症状が出てくる場合があります。

しかし、これらの奇形をもたないで、脳梁だけない人がいます。
僕の経験した例では、大人になってかなり年齢をかさねても今まできづかなかった人がいました。

手術で切ってしまうと症状がでるのに、全く問題なく暮らしているんですね。
また、検査でも引っかかない人もいるようです。

https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/~cfdt/disease/head/disease-head02.html

では、なぜ症状がないのでしょうか。
左右の脳の情報交換は別なところで行われているか、別々で行われており問題ないということなのでしょうか。

もしくは、左右の脳が活発に相互作用しないとできないような仕事や活動をしてこなかったから、困ってもいないということなのかもしれません。

でも、計算尺で計算して、紙に表を作っていた時代から、データがパイプライン化され自動的にグラフになる時代になってくると、社会が人間に要求する認知能力が高くなってきてます。今後こういう方が仕事で困ってくることがあるかもしれません。