おっぱいが勝手に大きくなる現象
薬の副作用などで、男性の乳腺組織が増加して、女性に近くなる症状を、女性化乳房症と言います。
一方、女性にこれが起こると、90代の女性でも、20−30代の女性の乳房に近いくらい乳腺組織が大きくなり、ハリが出てきます。
事例をもとに解説しています。
女性化乳房症は、女性の症状ではなく、男性の症状です。
主にホルモンに作用する薬の副作用で起こることがわかっています。
これは実はわかりやすいです、男性は乳房がないから、乳房ができた(大きくなった)ら、おかしいと気づくからですね。
よく飲まれているH2ブロッカーから、抗精神病薬まで幅広い薬剤で認められています。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/digital/201404/535789.html
これらの薬剤は、女性でも服用される方は多いわけです。
でも、あんまり問題になりません。
なぜかというと、もともと乳房があるからじゃないかなと僕は想像しているのですが、
通常老年期になると、女性ホルモンの低下などで、乳腺組織は萎縮してきて、垂れてくるようになります。
ところが、これらの薬の内服を始める前と、初めて1年ほど経った後、おっぱいがどんどん若返っていくようになるのです。
これは画像の検査を時間を追って見ていると、わかります。全然違います。
でも、患者さんは特に症状を訴えていない場合が多いです。
と思っていましたが、
最近お若い優秀な精神科医に、「患者さんの乳房が大きくなっている。がんではないか」と相談を受け、
まさしく、抗精神病薬を長期にわたって服用していて、乳房(乳腺組織)が増加した例でした。
患者さんは、気づかなかったようですが、よく患者を見ている医師は気付いたようです。少しびっくりしました。
話はそれますが、抗精神病薬で乳がんのリスクの増加の可能性があると報告している研究があります。
https://www.carenet.com/news/general/carenet/46247
あれだけ、様変わりするほど、乳腺が大きくなるのであれば、現場の目線ではさもありなんと思いました。