プレッシャーでパフォーマンスが上るタスク
緊張してテストを失敗したとか誰もであるんじゃないでしょうか。
プレッシャーでワーキングメモリ(作業をするとき一時的に保存したり処理する機能)が圧迫されて、認知機能が下がるからですね。
ちょっと驚きですが逆に上がるタスクというものがあります。
誰しもプレッシャーの中でタスクをこなさないといけない時があります。
そして、誰しも思うようなパフォーマンスが出なかったことがあるんじゃないでしょうか。
人間は何かするとき、ワーキングメモリと言って、一時的に情報とかを保存しているんですね。
精神的なプレッシャー(「早くやれ!」「絶対結果を出せ!」とか)があると、この機能が引っ張られて低下するので、パフォーマンスが悪くなるんですね。
パフォーマンスが低下する種類のタスクもあれば、低下しないどころかむしろ向上する場合があるタスクもあります。
向上するタスクとは、ある一定のルールで分類する作業です。(医者で言うと、これは大したことない病気とか、これは死ぬ状態とか)
目の前のものを無意識にパッパと分けていくって感じですね。
なぜかというと、意識的に考えて解決していくタスク自体が、分類するタスクのパワーを弱めるらしいんですよね。
で、プレッシャーを与えると、ワーキングメモリが低下して意識的に考えるタスクがうまくいかなくなり、結果的に、無意識にルールに基づいて分類していく作業の効率が上がるそうです。結果はありがたいです。
昔受験生の時とかに、試験を受けた際、ほとんどすべての問題を手続的にまとめて、試験中はそれを無意識に適応するだけ、みたいな練習をしていました。
確かに、本番中にパフォーマンスが低下したと言う記憶はなかったです。特にセンター試験など、ほとんど無意識に分類作業をするタスクでは、事前の練習とほとんど同じ成績でしたね。
医療業界では、例えば、救急分野では、本当の緊急事態は、分類作業になっています。
気道が確保されているかどうかチェックして、呼吸を見て、総頚動脈の拍動を触知して、手を握って循環を確認して、どこかでダメなら、それを治すと言う感じですね。
実際、目の前で人が意識失って倒れている場合は、慣れていないと、こっちも意識が消失するほどフリーズしますから、
あのような分類化は、実際理にかなっているんだと思います。
僕も、他の医者にこの病気は何なのか相談されプレッシャーにさらされることはありますから、どの分類に当てはまるか、無意識にチェックしているかもしれません。
すぐ何とかしないと死ぬのか、ガンなのか、感染症なのかが一番多いと思います。
逆に、プレッシャーにさらされやすい人は、タスクを分類化するようにあらかじめ編集してもいいかもしれませんね。
https://psycnet.apa.org/record/2006-22158-005