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電圧電流の正の方向とベクトル図をていねいに

平成23年度 電験二種二次試験 電力管理 問4
異容量三相4線式配電方式に関する計算問題

この問題で前からたまに気になっているのが、(2)の電験王の解説にもある「共用変圧器の利用率を最大とするためには,$${V_\mathrm{wv}}$$と $${I_\mathrm{s}}$$が同相である必要がある」という点です。「$${V_\mathrm{wv}}$$と $${-I_\mathrm{s}}$$が同相」もしくは「$${V_\mathrm{vw}}$$ と $${I_\mathrm{s}}$$が同相」ではないのかな?と電圧と電流の方向を見てたまに感じてしまいます。「$${V_\mathrm{wv}}$$ と$${I_\mathrm{s}}$$が同相」はV結線に特有と考えればよいのでしょうか?解説いただけると幸いです。

ご質問

ということで今回は、異容量V結線において利用率を最大にするには、というお題に対して、どのような思考プロセスをたどるべきかについて解説します。電験王の解説ページはこちらです。

さて、そもそも異容量V結線とは、定格容量が異なる2台の単相変圧器をV結線したものです。この接続方式の特徴は、同じバンクから三相負荷(動力)に加えて単相負荷(電灯)の両方に電力を供給することができるというものになります。単相と三相負荷に電力を供給する側の変圧器を共用変圧器、三相負荷だけに電力を供給するものを専用変圧器といいます。共用変圧器からは変圧器の中点から一線引き出し、単相三線式としています。このような電気方式を異容量V結線電灯・動力共用三相4線式といいます。

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