タイの道路リサイクルをアップデート!――プラントメーカー タイ現法の挑戦
アスファルトプラント*メーカーの日工です!
タイに現地法人を設立してから、もうすぐ5年🌟
設立してすぐにコロナ第一波が世界を襲うなど、立ち上げに苦戦しましたがここ最近は工場の生産能力も大幅にアップし、営業面でも受注が増えてイイ感じだそうです👆👆
そんなタイ現法の「いま」として、
「日本式の道路リサイクル」をタイで推しまくってる話をお届けします。
今回は、Nikko Asia(Thailand)Co.,Ltd.(以下、NAT)
Sales&Marketing Division General Manager 山口さんにタイの道路事情のお話を聞きました!!
※取材はオンラインです
本場のマッサマンカレーが食べたい人生だった
(前提)日本では道路はリサイクルされています
ーーー「道路リサイクル」って何ぞや?と思った方に!
簡単に説明します。
高速道路などで、道路工事を見たことはありませんか?
新しくアスファルト舗装をする際に、道路の表面をベリベリと剥がす工程があります。
べりべりにより生まれたガレキ類をアスファルト廃材と呼びます。
廃材はそのあとどうなるのか?
実は、アスファルト合材(通称アスファルト)の材料として再利用され、
ほぼ全量がもう一度道路に還っているのです!
廃材を再利用して製造したアスファルト合材を「再生アスファルト合材」と呼び、日本では使用が推進されております!
その結果、日本国内ではアスファルト合材総製造量のうち75.5*%が「再生アスファルト合材」となっています!
*日本アスファルト合材協会調べ
再生アスファルト合材の製造に必要な「リサイクル技術」は当社が競争力を持つ分野で、海外に広めたい!!と奔走しております。
タイにおける道路リサイクルの「壁」
日本では道路のリサイクルが推進されておりますが、東南アジアではまだ普及していません。
タイでは2010年頃より再生アスファルト合材を製造する取り組みがはじまりました。
当初は欧米で主流な「路上リサイクル(動画)」の手法が取られましたが、品質管理に課題があったそうです。
そこで、日本の道路舗装会社や、日工から日本式の「プラントを用いた道路リサイクル」の有用性についてタイ政府へ情報提供を行ってきました。
ーーその情報提供が功をなして、プラントリサイクルに潮目が変わったみたいですね!
その通り。満を持して2024年度からタイ道路局(DOH)が道路リサイクルのプロジェクトをはじめました。
入札参加にはリサイクルプラントの保有が必須のため、タイ全土で急激に商談が増えました。
しかしながら、タイにおける道路リサイクルの浸透には
とある壁があるそうです。
壁①道路舗装会社にとって○○がない
ーーずばり、壁とは?!
ずばり、タイでは道路舗装会社にとって再生アスファルト合材を作るメリットがほとんどない仕組みになっています。
ええっっっΣ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)
どうやらこういうことみたい▼
タイでは、リサイクル設備を自腹で購入し、自腹で処理するものの、「国が材料(廃材)を支給しているから」という理由で適正な価格で売れず儲からない。
それでも、他社との差別化や将来の需要に備えて製造しているようです。
ーー日本ではどうなのでしょうか?
反対に、日本は道路舗装会社にとって再生アスファルト合材を作るメリットが大きい仕組みになっています。
日本では、道路工事で発生したガレキ類(アスファルト廃材)は工事会社が中間処理工場に持ち込み、処理することが義務付けられています。
この中間処理工場というのが、実はアスファルト合材製造工場と運営元が同じケースがほとんど。
つまり、
①アスファルト合材製造工場が所有する中間処理工場でアスファルト廃材の処理費用をもらえる=利益
②再生アスファルト合材の材料を処理費をいただいてゲット=コスト削減
③再生アスファルト合材の販売=利益
三度おいしい仕組みとなっています。
壁②求められるスペックが違う
次なる壁は、リサイクルドライヤの温度です。
日本では160℃ですが、タイでは130℃がスタンダードです。
日工は160℃まで昇温できることが強みなので、他社メーカーと差別化できず困ります。
簡単にいうと、規定が違うため日工の強みが出せないということです。
ちなみに、温度が高いほうが廃材をより多く混入することができます。
タイも日本のように高い混入率を求めるようになると日工が有利になります♪
逆風に負けズ、積極PR
さて、タイにおける道路リサイクルですが。
現在の法律や仕組みだと、日工プラントの優位性を訴えるのが難しいです。
おまけに現地メーカーや中国メーカーと比べ、日工のリサイクル設備の価格は高い。
だからといって、日工は決してあきらめません!
材料価格高騰やサステナブルな流れにより、きっとタイでも道路リサイクルが主流になると信じてチャレンジをしております。
以下ではそんな日工のチャレンジを紹介💛
①三刀流!F/0ドライヤ
タイでは道路工事の際、掘削機をゴリゴリ使うため発生するガレキ(アスファルト廃材)の粒度が小さい傾向にあります。
そこで、日工は思いました。
「破砕設備*いらんのでは・・・・?」
むかし日工は、F/0(エフゼロ)ドライヤという装置を開発しました。
このドライヤ、熱風&ドライヤの羽根で解砕と乾燥、さらに篩い分けもできる三刀流なんです。
おまけに、大きな塊を入れたら詰まるところ、タイの廃材サイズがちょうどピッタリはまります。
お客さまにとって破砕設備の投資費用やランニングコストを浮かせられるなど、コストメリットがある製品です。
ちなみに、タイでは2buy GET1 (2個買ったら1個タダでついてくる)といった売り方が人気です。
そのため、この三刀流装置も「3 in 1」と称しオトク感を感じてもらえるような売り方ができるのでは?
と、、いろんな思いから実証テスト&PRを進めていこうとしています。
②展示会、国際会議でのPR
こちらは9月、バンコクで開催された国際会議「International Conference on Highway Engineering 2024」
政府関係者も参加するこのイベントに、日工グループも参加しました。
日本でなぜ道路リサイクルが普及しているのか?
日本式道路リサイクルの仕組みや、日工プラントの優位性について技術メンバーよりプレゼン発表しました!
このようなイベントに積極的に参加することで日工ブランドの知名度アップにつなげていく予定です!
③ASEANモデル「NAP.ACE」開発
アスファルトプラント本体においても、他メーカーとの価格競争が行われています
そこで、2020年よりASEAN市場向けにコストダウンした新機種の開発をすすめておりました。
ついに今年、ASEANモデル「NAP.ACE」が完成し2024年9月末に1号機が納入されました!
J
おまけ タイ生活について
ーーーーータイに赴任されて5年ほど経ちますが、タイ生活はいかがですか?
毎日、刺激的な日々を過ごしています。まだ立ち上げ期なのでやる事は無限にありますし、主体的に動きたい人にとってベストな職場だと思います。
ーーーーープライベートは充実してますか?
国際都市バンコクだけあって美味しいレストランがいっぱいあります!
先日も美味しいイタリアンレストランを開拓しました!
また、最近タイ北部チェンマイの一大イベント「コムローイ祭り」に行きました。
空にたくさんのランタンを浮かべるイベントで、空には3,000以上の皆さんの思いを乗せたランタンが幻想的な風景を作り上げており最高でした!
ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のモデルになったとか。
こんな感じで、色々と楽しんでいます。
僕は未だにタイ料理が食べられないけど
マクドナルドがあるから大丈夫✊
タイはゴルフ場がたくさんあるからゴルフが上達したよ。
ーーーーーーーーーーーー山本社長!!!!
タイ、また訪問させてくださいね😊
(元・上司とのZOOM越しの再会に喜ぶSO)
いつでも来たらいいよ
日本のみなさんも、スケジュール組まずにとりあえず来てもらうのが一番です。
逆に、いつがいいですか?と聞かれてもタイ時間が流れているのでわかりません(笑)
数か月先のスケジュールを立てる国民性ではありませんので(笑)
いつの日か「note:タイ訪問記」を投稿できるかも?!
FIN.
(文)マッサマンカレーが食べたいSO
(協力)NAT