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アクティブシニアが通う高齢者大学でカーボンニュートラルを語る!

みなさん、高齢者大学をご存知ですか?
名前のとおり、高齢者に生涯学習の機会を提供する「学びの場」
自治体ごとに、さまざまな名称で設置されているようです。

日工の本社がある兵庫県にも、高齢者大学「いなみ野学園」がございます。
大学(4年制)と大学院(2年制)があり、学生さんは週に1回通学して専門家による講義に勤しんでいるそう。

そんななか、日工は2023年度2学期よりいなみ野学園の講座を受け持つことになりました。
テーマは「脱炭素を中心とした環境等への取り組み」について。
アスファルトプラントメーカーである日工。

オラの得意分野はアスファルト合材製造の低炭素化(ドヤ!)

…………

マニアックすぎるけど大丈夫……?

というわけで、講義に潜入してみました。

~いなみ野学園ってこんなところ~

いなみ野学園は、兵庫県加古川市、日工の本社より車で20分強の場所に位置しています。
50年以上の歴史があり、全国の高齢者大学の草分け的な存在なんだとか。

入口のフェンスには「祝・造園コンクール入選 園芸学科●年 山田 太朗」といった垂れ幕が多数掲げられており、知らない人が通りがかったら高校と間違えそうな外観でした。

ところが敷地内をどんどん進んでいくと、緑が広がりどこか懐かしい古民家のような建物が見えてまいりました。

うさぎ追いしかの山~♪って歌いたくなりません?

講義室に入ると丁度「朝のつどい」が終わったところで学生さんたちが講義に備えて準備をされていました。
スマホをさわったり、友だちと話したり、イマドキの大学生ですね。

フレッシュな2年生です🌟

午前の講義は10時~11時30分までの90分間。
定刻になると職員さんが


「きりーつ!!!」と呼びかけると

みなさん一斉に立ち上がり

「礼!」

よろしくお願いします!

と元気にご挨拶をされました。
人生の大先輩方に頭を下げさせてしまい、なんだか恐縮です。

前座:自己紹介漫談?

まず最初は我らが広報チームの上司で取締役の川上による漫談が繰り広げられました。
というのは半分冗談。
日工という会社のルーツ(鈴木商店)を紐解きながら、会社の概要を紹介していくのですが見事な語りっぷりで。
ちょっとしたジョークが炸裂するたびに会場がドッと笑いに包まれ私も聞き入って写真撮るの忘れました。

「まさかお金が余っている方はいらっしゃらないとは思いますが、一応、伝えておきますね。(証券コード)6306 

(会場)ドッッッッ

アスファルト合材とはなにか

さて続いてが本題。
開発部長である川村執行役員による講義がはじまりました。
まずは自己紹介。
「趣味はリバウンドで、今ちょうどリバウンドの上り坂の頂上付近にいるところです」

(会場)ドッッッッ

再び漫談がはじまるかと思いきや、ここから真剣講義がはじまりました。

前段として、世界的に脱炭素が注目されている背景や1kgのCO₂がどれくらいの量なのかといった説明がありました。

1kgのCO₂・・・人間が1日に排出するCO₂量と言われています!

さて、ここからはアスファルト合材の低炭素化のお話です。

Q:そもそも、アスファルト合材とはなにか?
A:一般的にアスファルトと呼ばれている道路の黒い部分ですね。

あれは、砂利・砂・アスファルト・石粉をデッカイ設備(アスファルトプラント)で混ぜてつくったシロモノなんです。
アスファルト合材あるいはアスファルト混合物と呼ぶのが正解、というわけ。

ではアスファルトとは、何なのか?
答えは、重油の残りかす
です。

温度によって、液体になったり固体になったりします。
アスファルト合材はアスファルト×砂利・砂×石粉のMIXという話をしましたが、MIXするためには液体でなければいけませんね。
というわけで、160℃に加熱します!
そして冷めると固まります。

この性質を利用して道路に使われているのです。

チョコレートみたいなイメージ。

アスファルトの160℃をキープするために、一緒に混ぜる砂利や砂もバーナの火であぶって加熱・乾燥しています。


ボォーーーーーー

ハイ!
ここで重油を燃やしているのでガンガンCO₂が出ちゃいます。
年間、100万トンくらいです。

日工はアスファルトプラントの国内シェアが70%ですので、
大きな責任があると感じています。

100万トンのCO₂を削減するには?

さて、この100万トンのCO₂を削減するには。
というお話に移りたいと思います、


①骨材(砂利・砂)の水分管理
②合材の中温化(低炭素アスファルトについて)
③燃料転換
④CCUS

と、業界向けのかなりマニアックな話にすすみました。
専門的すぎるのでnoteで書くのも憚られたのですが………
身を乗り出して熱心に聞いてくださっている学生さんたち。

もしかして、業界関係者ですか?


水素やアンモニアといったエネルギーのお話は、興味のある方が多かったようでスマホで撮影する様子も見られました。

日工は水素バーナとアンモニアバーナの開発にも取り組んでいます!

そんな専門的なお話が続くなか、あっという間に90分が経過しました。

「きりーつ!!!」

「礼!」


ありがとうございました!

~~~講義終了~~~~

おわりに:職員さんにお話を伺いました

講義後、とある再生エネルギー関係のNPO法人で活動されている学生さんから質問がありました。
い、意識が高い。
うすうす感じていましたが、高齢者大学に通われている方は現役時代バリバリだった方が多いのでしょうか……。

職員さんに、学園についていろいろお話を伺いました。

「士業の方や、公務員、会社の役職者だった方が多いですね。
普通の主婦の方もいます。」

いなみ野学園は、4年制の大学講座・2年制の大学院講座があり
卒業後は地元の自治会で講演活動を行うなど、ご活躍されているようです。

い、意識が高い……。

学生さんの平均年齢は75歳、なんと90代の方も大学院で学ばれているとか。
生涯、学び続ける意識って素晴らしいですね。

クラブ活動や修学旅行もあったり、聞いている限りめちゃくちゃ充実した
学園生活を送れそうです。

受講料は年間たったの5万円。
県内在住・学ぶ意欲のある56歳以上の方が対象です。
お友だちも作れますし、体操や歌の時間もあって心身ともに充実した時間を過ごせそうですね。
ご興味のある方は、公益財団法人兵庫県生きがい創造協会まで!


(終)

ライター:SO
取材協力:いなみ野学園 様


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