【事例紹介】横須賀の自治体DXが羨ましい
ただの横須賀市の事例紹介かと思ったのですが、なかなか深堀りされていたので記事化しました。2021年2月執筆です。
横須賀の本気を感じる
横須賀市が行政業務のDXとして2020年から取り組んでいる9つの施策がこちらです。
・RPA導入
・LoGoチャット
・e-kanagawa電子申請
・キャッシュレス導入
・住民異動手続きの見直し
・会議録作成支援システムの導入
・BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)実践ワークショップ研修
・デジタル・ガバメント推進広域研究会
・生活保護医療券のペーパーレス
どれも目新しいわけではありません。よく聞くDX事例ではあります。
ですが、内容を読むと「横須賀、本気だな…」と感じます。
課題の明確化と理想の具体化
まず横須賀市がやったことがこちらです。
デジタル・ガバメント推進室では、108あるすべての業務をBPMN(Business Process Model Notation:ビジネスプロセスモデリング表記法)による業務フローに書き起こし、「As Is(現状)」「To Be(理想)」の設計を実施。(記事より引用)
これはすごい。大変な作業です。一つ一つの業務フローを分析してAsIs(現状)とToBe(理想)の設計をする。
こちらがAsIs(現状)の一例です。
わっかる…!!!!どれも役所あるある…!
すっごいイライラするやつ…!!!!!!
で、これがToBe(理想)
ちょっと、わかりにくいですね笑(私に描かせてほしい…)
でもAsIsのポイントをひとつひとつ分解して対策をとったということです。
マーケのカスタマージャーニーみたいですね。
さらにこれは利用者目線なんですが、同じことを職員目線でも分析しているんです。行政も人材不足ですから、職員の業務効率化は大きな課題です。
職員の負荷が減れば、その分利用者である市民に価値を還元できる。いい流れです。
なんちゃってDXとのちがい
これはどこかで別記事にしたいのですが、世の中にはなんちゃってDXが存在します。
「やたら上に言われるし、なにかデジタル化しなきゃなぁ〜じゃあこの紙でのやりとりPDFにしようかね。」というノリで実施されるDXもどきです。
反省も多分に含めて書いていますが、いま紙でやっていることをそのままオンラインにしたからDXかというとそうとは限りません。
業務フローそのものを見直したら「紙とか以前にこのフロー自体いらないよね」みたいなことが多々あります。
本気で手続きを効率化しようと思ったら、横須賀市のように手間と時間をかけても業務フローを棚卸しして分解して分析するプロセスが超重要なんです。なんですが、やっぱり予算とか期間とか各所の調整とかですべてができるわけでもないし、組織にはたくさんの意見がある人がいるので一枚岩で動くのは難しい。
横須賀市のような本気のDXができたら素晴らしいんですが、理想通りにはなかなかいかないのが現実です。
いいなあ横須賀市。
本気を出せる自治体とそうでない自治体の差は色々あると思います。
情熱とリテラシーのある職員の有無…
人手不足などの危機感の強さ…
市長などトップの意識…
そして予算…
国もデジタル庁創設でせっせと旗振ってますし、改善の流れは加速していくと思いますが一朝一夕では難しいところですね。
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