行政手続きの押印廃止ニュースの整理

2020年10月に書いた記事の再編集です。

連日ニュース等で大きく報道されていた河野行政改革担当大臣の「行政手続きの押印廃止」。

実際当時、自治体さんとの話でも
「いやもうここは河野大臣になんとかしてもらって」
「縦割り110番の出番ですよ」
なんて話題がよく出てました。

2020年10月当時は、「ほんとに進むんかいな」「パフォーマンスじゃないの」と内心思ってたのですが最近になってちらほら押印不要になっている書類に出くわすことが増えたので「おぉ素晴らしいやないか」と見直しているところです(誰目線)。

当時何が置きていたのか、何がすごいことだったのかを整理してみました。

河野大臣がやったこと

河野さんのブログです。
民間から行政機関に対して行う申請などの手続きのうち、押印を求めているものが全部で11,049種類(!!!)
この押印手続きを原則不要にするという事が書かれています。

その内訳も興味深いです。

11,049種類の内、年間100万件以上行われる手続きは、68種類、これだけで総手続き数の90%以上を占めています。
年間に1万件以上の手続きが行われるのは、合計して438種類の手続きで、これで手続きの総件数の99.8%を占めています。
反対に2019年度に1件も手続きがなかったものが3,097種類もあり、手続きの件数が不明というものをあわせると、種類数の66.1%を占めています。

1件も手続きされていないものや件数不明のものもあるとか、驚きですね。
このブログの2日後にも年間100万件以上行われている手続きの例を載せています。

もちろん河野さん自身が棚卸しを行ったわけではなく、省庁の方々がそれはそれは苦労してまとめたものなのでしょうが、非常に貴重な情報です。

もっと前から流れはあった

では河野大臣就任までは何もしてなかったかと言うとそうではありません。
河野大臣の知名度とパフォーマンスに押されて大々的に報じられていますが、押印廃止の流れは就任前からありました。

令和2年5月22日「行政手続における書面主義、押印原則、対面主義の見直しについて(再検討依頼)」

令 和2年6月5日「行政手続における書面主義、押印原則、対面主義の見直しについて(再検討依頼)」の結果概要

河野さんが急に言いだして超スピーディに進めているように報じられていますが(実際そうなんでしょうが)、ある程度以前からこういった取組は進められていて棚卸しや検討が進められていた模様です。

コロナがなければ、このような急速な動きにはならなかったと思いますが、これを国が旗振ってやったという事実が大きな一歩です。

なんの一歩かと言うと、課題の明確化という一歩。
とりあえず目立つところに手を付けるなんちゃってDXではなく、業務を棚卸しして分析して対策を講じるという本来あるべきDXの第一歩です。

きっかけはどうあれ、本質的なDXが国主体で進んでいくことには期待しています。国が動けば自治体も(ブーブーいいつつも)やるって面もありますしね…!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?