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働く人を支え続ける一枚を届けるために。商品開発へのこだわり── ニッコーバンの舞台裏【#03】

絆創膏を通じて、多くの人の”働く”を支えたいという想いで、昭和27年の創業以来、絆創膏ひとすじにやってきた日廣薬品。この連載企画『ニッコーバンの舞台裏』では、私たちのことをより知ってもらおうと、日廣薬品で働くメンバーにスポットを当てていきます!

今回紹介するのは、研究所所長菅野(すがの)

大学卒業と同時に日廣薬品に就職し、『ニッコーバン』をはじめとした歴代商品の開発や品質管理に30年近く携わってきた菅野。商品開発において、大切にしているこだわりとは何か? 詳しく話を聞いてみました!


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昔から大切にしてきた「三方よし」の精神


── 菅野さんは研究所所長という肩書きですが、本当に色々な仕事をされてますよね。

菅野:
そうですね。商品開発における責任者として、品質管理・研究開発・薬事対応。あとは工場にある機械の改造やメンテナンスなんかも担当しています。

── 菅野さんは日廣薬品歴が30年近くのベテラン社員ですが、入社した理由は何だったんですか?

菅野:
もともとは医薬関係の研究職の仕事を探していて、自宅から近い職場がいいなと思っていたところ、就活情報誌で日廣薬品の求人を見つけて応募しました。

入社の決め手になったのは、現社長の祖父である先々代社長の人柄ですね。面接で話をさせてもらいましたが、会社の製品や社員をとても大切に考えていて、人徳のようなものに惹かれました。直感的に、この人のもとで働きたいと思いましたね。

── そうなんですね。先々代から伝えられたことで、特に記憶に残っているものは何ですか?


現在に至るまで日廣薬品が大切にしていることですが、やはり「三方よし」の精神です。日廣薬品を取り巻く全ての人たちが、日廣薬品が存在してよかったと思える状態にすること。お客様はもちろん、私たち社員もそうですし、地域の方々に対してもそうです。

私自身、他人から「ありがとう」と感謝されると、それが仕事のやりがいに直結するタイプです。それは、お客様からだけでなく、会社の中の人に対しても同様です。

日廣薬品は社員数50名程度の小さな会社ということもあり、社員同士の仲がいいですよね。こちらが何かをすると、「ありがとう」と伝えてくれる人ばかりで、働いていて気持ちよさを感じます。会社にもっと貢献したいという気持ちが自然と湧いてきます。

ニッコーバンの強靭な粘着力の秘訣

── ここからはニッコーバンの商品開発について聞いていきたいと思います。ズバリ、商品開発で一番こだわっていることは何ですか?

菅野:
ニッコーバンの最大の売りは粘着力です。「働く人を支える」を商品コンセプトにしていますが、長時間の水仕事やハードな仕事をしても剥がれない粘着力は、コンセプトを実現する一番大きな柱です。

粘着力の強さを、どう維持し、どう高めていくか。品質管理においても、商品開発においても、常に試行錯誤を繰り返しています。

── ニッコーバンといえば粘着力ですもんね。ちなみに、粘着力の強さの秘訣とは何なのでしょうか?

菅野:
一番は天然ゴムを使用した粘着剤にこだわっていることですね。専門的な話になるので詳細は割愛しますが、天然ゴムを使用すると粘着力は格段に高まります。日廣薬品は1952年の創業以来、絆創膏を手がけてきましたが、昔から天然ゴムを使用してきました。

天然ゴムの使用にあたって大変なのは、天然のものなので、品質に微妙なバラツキがあることです。そのため、入荷した天然ゴムを幾つものブロックに分けて品質測定を行い、ブロックとブロックをブレンドしながら、粘着力を揃えていく作業が必要になります。

自動的に機械で粘着剤をつくれれば楽でしょうけど、天然ゴムで品質にこだわっていこうとすると、どうしても人の手が必要になってきます。研究所で組み合わせを設計し、工場メンバーが設計をもとに作業を行い、ニッコーバンの粘着剤が作られていきます。

絆創膏が生産される様子ってイメージしにくいと思いますが、意外と人の手がかかっていることを、ニッコーバンを愛用されているお客様に知ってもらえたら嬉しいですね(笑)。


お客様から届く声をもとに品質を改善

── 次に、品質向上という点で、特に意識していることはありますか?

菅野:
やはり、お客様からいただく声ですね。全てのお客様に満足いただくものを作るのは難しいですが、ひとりでも多くのお客様にとって良いものを作れるようにするために、試行錯誤を重ねています。

例えば、お客様から「こういう時に剥がれやすい」といったお声を電話やメールで会社宛にいただくことがありますが、お客様との窓口を務めている総務のメンバーから内容を共有してもらい、どんな声が届いたのかを把握するようにしています。

そして、品質を少しでも向上させるために、粘着剤の製法を少し変えてみたりしながら、様々な種類の試作品を作っては自分たちで試しています。

そのため、怪我をしているわけでもないのに、私の手は試作品の絆創膏で常にいっぱいです。水仕事を想定して、プールに行く時にも試作品の絆創膏をたくさん貼っていきますので、周囲の人をびっくりさせてしまっているかもしれません(笑)。

── 確かにそうですね(笑)。また、社員にも試用を依頼することが多いですよね。大量の試作品が並んでいて、その量にいつもビックリしています。


日々大量の試作品を作るが、その中でモノになるのはごく僅か。

菅野:
なるべく多くの人に使ってもらって、使用感を確かめたいと思い、社員にも協力をお願いしています。人によって皮膚感覚などは変わってきますからね。こんな風に、多くの人からフィードバックをもらいながら、少しずつ品質を改善していっています。

これからも働く人を支え続けたい

ーー 最後に、商品開発者として、仕事のやりがいを感じる瞬間を教えてください。

菅野:
先程の質問と回答が重なりますが、ニッコーバンを愛用してくださるお客様から「ありがとう」の声をいただく時ですね。

特に思い出深いのは、2年前に行ったお客様へのインタビューです。ニッコーバンを愛用してくださるお客様の声を聞かせてもらおうと、何名かのお客様にインタビューをさせていただきましたが、その際におっしゃっていただいた言葉が衝撃的でした。

ニッコーバンと出会って世界が変わった。ニッコーバンなしでの仕事は考えられない。そういった言葉をいただいて、正直、鳥肌がたちました。ニッコーバンの開発に30年近く関わってきたわけですが、こんな風に思われているとは全く想像していませんでした。

── 私たちのような商品を薬局やドラッグストアに卸している会社だと、お客様の声を聞く機会は少ないので、本当に貴重な機会でしたよね。

菅野:
お客様の声を聞くことの大切さを改めて感じましたね。現在も、総務や営業のメンバーと一緒に、ニッコーバンを愛用してくださるお客様が働いている飲食店に足を運んだりします。

── それでは締めのメッセージとして、お客様へのメッセージをお願いします!

菅野:
ニッコーバンの商品コンセプトは、働く人を支えることです。「ニッコーバンがあって助かった」「ニッコーバンのおかげで、安心して働くことができる」といったことを、一人でも多くのお客様が言ってくれるものを作り続けていきたいと思っています。

これからも、ニッコーバンをよろしくお願いします!


編集協力:井手桂司

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