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『循環する農』を選ぶことは万物を健康にする



ネオニコチノイドと生態系への影響


先日、ネオニコチノイドの
動画を見る機会がありまして

2年ほど前のものですが
ネオニコ系農薬が人体や

生態系にどのような影響を
与えているかという特集内容でした



フランスやEUでは2020年から
ネオニコチノイド系農薬の
使用が禁止されています


2019年以降は
ネオニコチノイド系農薬を
使って処理された種子を

EU域外の国へ輸出することも
禁止されているのが現状です


【以下、EU加盟国】

アイルランド、イタリア
エストニア、オーストリア
オランダ、キプロス、ギリシャ

クロアチア、スウェーデン
スペイン、スロバキア
ロベニア、チェコ、デンマーク

ドイツ(加盟時西ドイツ)
ハンガリー、フィンランド
フランス、ブルガリア、ベルギー

ポーランド、ポルトガル、マルタ
ラトビア、リトアニア、ルーマニア
ルクセンブルク


ネオニコチノイド農薬は
昆虫の神経伝達を阻害することで

殺虫効果を発揮することで
知られていますが

農地で使われたこの農薬が
水に流れて、周辺の用水路や河川

地下水に流出してそこに生息する
生態系にも影響を与えていることが
わかっています



また川の水が行きつく先は
海になりますので

そこまで流れたネオニコ(略称)は
海の生態系のバランスにも
影響を与えることになります


ネオニコは物によっては
一度使うと長い間そこに残留して

洗っても取れないことが
確認されています

土壌中では数か月から
長い場合は数年は
毒性が続くとのことです


ネオニコ系の農薬の中に
グリホサートと呼ばれるものがあります

これは主に除草剤として
使われるのですが

浸透性があり農産物の中に
薬が残留することから
洗っても落ちないと言われる所以です


元々、ネオニコ系農薬は
害虫だけを効果的に駆除し

従来の農薬と比べると
他の生物や人には安全との触れ込みで

1990年代から世界各国で
急速に普及した歴史があるようです


しかし、上のYouTubeであるように
ネオニコ系の農薬を普及した地域で

貴重な花粉媒介昆虫である
ミツバチの生息数が激減したり

魚の生態系の異変が
相次いで報告されるようになります


ネオニコ系の規制国と緩和国


ネオニコ系農薬の毒性に関する研究が
各国の研究者の手によって始まり

新たな事実が次々と明らかになって
規制強化に向ける流れが高まった
背景があります


ヨーロッパでは多くが
ネオニコの規制を進める中

日本では2015年から2017年にかけて
なぜかネオニコチノイド系農薬4種の

・イミダクロプリド
・チアメキトキム
・クロチアニジン
・アセタミプリド

残留基準値の緩和を行いました
まるで時代に逆行するかのように


ネオニコチノイド系農薬については
こちらの動画でも
詳しく解説されています



ネオニコチノイド系農薬は
水溶性ということもあり

口からの摂取をやめると
尿などからほぼ体外に
出ていくことがわかっています


ネオニコチノイド系農薬を
使わない有機食材に変更したところ

尿中のネオニコチノイド系農薬は
5日間で約半分に、1ヶ月で94%減に
なるという調査結果も出ています


日本では2020年6月より
環境省が農薬登録の
新たな影響評価として

野生ハナバチ類
(ニホンミツバチなど)への
毒性を追加すると発表しました

農薬全般への制度改正ではありますが
ネオニコ系殺虫剤の使用制限に
関する内容だとみられています


ただ、まだまだに日本の規制が
ゆるいのが実情なのは変わりありません



脱・ネオニコへの動き


人体への影響を与える
論文などの発表がある中で

こちらの農家さんは
取引き先や消費者の要望を受けて
脱ネオチコの動きに至ったようです



ただ農薬を使わないと
商品になりづらいという現状が
あるのも確かなようです

日本の農薬使用量は
世界トップクラスと言われますが

生産者は農薬に一番近いところで
農薬を一番浴びることになります

にもかかわらず自らを害してまで
なぜ農薬を使うのでしょうか


そこにはやはり経済が絡んできますが
下記の理由が大きくあります


  1. 見た目の基準で農協は作物の等級を決める

  2. ハードな農作業が厳しい高齢化の現実

  3. 病害虫が発生しやすい高温多湿の風土


生産者は、見境なしに
散布しているわけではないようで

国や都道府県の指導を受けながら
量を調整して散布している

農薬もタダではなく
およそ売上の7%を農薬代に
使っています

農薬を使わなければ
出荷基準を満たす作物が育てづらい

市場の品質要求に
応えづらいというのが
現状にあるようです



以下はアメリカの
環境保護NPO機関である

The Environmental
Working Group(EWG)が発表した

2021年人気のある
46種類の野菜と果物の

農薬汚染度を
ランク付けしたデータです

あくまでアメリカのデータですので
ご参考までに


【残留農薬が多い食べ物】

1位 イチゴ
2位 ほうれん草
3位 ケール、からし菜

4位 ネクタリン
5位 りんご
6位 ぶどう
7位 チェリー
8位 桃
9位 梨
10位 ピーマン/唐辛子
11位 セロリ
12位 トマト


【残留農薬が少ない食べ物】

1位 アボガド
2位 とうもろこし
3位 パイナップル

4位 たまねぎ
5位 パパイヤ
6位 冷凍のスイート・ピー
7位 ナス
8位 アスパラガス
9位 ブロッコリー
10位 キャベツ
11位 キウイ
12位 カリフラワー



購入者として何ができるか


個人レベルにはなりますが
消費者側がネオニコが及ぼす
環境や人体への影響を知って

それを求めなくなれば
生産者側も使用しないという
きっかけになるかと思います


健康を懸念して無農薬や減農薬
オーガニックの食品を
選ぶのももちろんいいですが

もうひとつ踏み込んで
無農薬の食品を選ぶという事は

地球全体の生き物や自然の健康にも
繋がっている
ということに気づけば

万物のより良き循環の巡りが
起こるのではないでしょうか


人間だけが都合の良いものには
往々に偏りがあったりするもので

土にいる微生物や
鳥や昆虫、魚もそうですが

草木や森などの
万物のことを考えた選択の結果が

本当の意味でこの地球が
健やかに循環するかたちに
なるのではないでしょうか


自然に生かされている身として
自然と共に生きるという決断は

このいまの世を生きる人間にとって
とても大切なことのように
感じています


最後までご拝読
ありがとうございました :-)

健やかな海を残すために
こちらもよければご拝読ください


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