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日記 11/10


日曜日。

金土の宿直2連勤からそのまま居残り、午後からの児童のバンド練習に参加するハードスケジュール。


午前中は児童らの遊びに仕方なく強制参加。キャッチボールに体育館内でフットサル。


とにかく動けなくてほんのちょっとで息が上がることに自分でも結構驚いた。児童からも「普段運動してないでしょ」と言われる始末。動きに出ちゃってるレベルで自分でも情けなかった。


確かにスポーツと呼べるようなものは社会人になってからやってないからな。フットサルもすぐに体力が無くなってあの辺のスペースに行きたいなと思っても息が上がって諦めて動きが止まってしまう始末。


キャッチボールはキャッチャー役でしゃがんで球を捕るのだが、球はとれるものも、投げ返すときに立ち上がるのを繰り返す屈伸運動の連続でソッコーでヒザがやられる。

しかも投げ返す球がへなちょこすぎるみたいで、野球が大好きな子はいかにも物足りなさそうだった。

ていうか君たちは体力の爆弾みたいなもので50近いオッサンは何やっても敵わないのよ。これでもかなり頑張ってる方ぞ。


土曜日に将棋対戦した将棋が好きな中学一年の子。
その時は時間内に勝負がつかず、スマホで撮影して続きを次回、ということで日曜午前に対戦の続きを。



終盤なのは分かっていたが、開始3手くらいであっさり負けた。まぁ予想通りだった。しかも大人げなく夜中に宿直室でこの画像を見ながら散々作戦を練ってから続きに挑んだのに。

でもこれどうやっても先にやられちゃうな、とは思っていたが流石に3手で負けたのは驚いた。

相手が竜王を捨てるという鮮やかな手で負けて感無量だった。その子は将棋の本を読んで勉強しているほどの将棋好き。敵わないのでいつも胸を借りる思いで対局する。

その子も夜中、この盤面を記憶していて手を考えていたと言っていて驚いた。
なんか中盤で、とにかく悪手を打たないように頑張っていた僕の手が自然と「腰かけ銀」という形になっていたと言われてそのことにも驚いた。そりゃそんなレベルの子に勝てんわ。


いい感じに中盤まで展開して最終的に倒せる僕は相手として丁度いいらしい。


その子のいい所は基本真面目な部分があり、あと将棋が好き、ということ。性格的な弱点は山ほどあるが、それを補えるように、それぞれの良い所を伸ばしてやりたい。それが仕事だと思っている。



そして音楽室での練習はというと、時間がたっぷりと確保されていたので今回でかなりできた。歌次第ではもう発表できるレベルじゃないかと思う。


本当ならドラムのお手伝いの子とギターの子の高校生二人だけなのだが、これはあくまで仕事なので中学生らも見学、音楽室出入り自由にした。


中学生と言うのは残酷なほど素直で、詰まらない時はむちゃくちゃ態度に出すのだが、演奏練習を聴いて「迫力があった」との感想だった。

それはかなりいい。ロック曲なので「上手だった」より、「迫力があった」と言われる方が良い。
中学生に対してなんにせよある程度刺さるなら及第点だ。


仕事なのでしょうがないけど、自前の機材に「基本触っちゃダメ」と伝えているのに、気づくと電源が入ったままマイクの線を引っこ抜いていたり、僕のベースを背負っていたりするのでそこはかなりマジでイラっとする。全て俺の大切な機材ぞ。なんかあったらどうすんねん、と。



自分のベース演奏の部分でもいい課題が残った。さすがスタジオ練習。普段ではわからない課題が出てくる。

アンプの音量は結構上げたのだが、それでもまだ足りなかった。ハウリングに気を付けてもう目一杯に上げてもよさそう。
遠慮するつもりはなかったのだが、まぁこんなもんかな程度にはしていた。


そしてそれ用に次回は音楽室でしっかりまた抜けの良い音色づくりする必要が出てきた。


中学生の子に「○○さん(僕)の楽器、全然聴こえない」と言われて、「それがベースの誉め言葉なんだよ、ベースの低音は楽曲に溶け込んでいて聴こえないのよ」とドヤったが、後で録画を見たら確かにこの人本当になんか弾いてるのレベルで聴こえない感じ。

そういう時は中学生の素直で残酷なリアクションが役に立つ。


ただここで、一番最初にギターの子にベースでの参加をお願いされたときに返した言葉を思い出した。
「ベースって(音楽の成分を理解していない限りは)いてもいなくても大して変わんないよ?」だ。まさに実際にその状況になって、なんかこういい意味でしんみりとした。言った通りだなって。


そして個人的に面白かったのが、ドラム担当の職員さん。手慣らしのドラムソロで中学生らが驚嘆するくらいの確かな腕の方。

しかしその方から事前に話があり、ギターの子に対し「こちらは完全な協力者なのに最近調子に乗っている感がある」とのこと。「日曜、音楽室来れるっしょ?」みたいな言い方をしたらしい。それは確かに駄目だ。「日曜日、よろしく願いします」が正解だろ。

高校生は年末の行事で何かを発表する義務はない。義務なのは中学生だけ。それなのにバンド演奏をやりたい、というのはその子の有志であり言わば願望であって、じゃぁそれを叶えてやろうじゃないかと言うこちらは、完全に協力者。


機材は何もかも僕の自前の物だし、ドラムもベースも完全に協力してやってもらっている話。


たぶん、そんな納得のいっていない思いがドラム演奏に出ていて、ギターの子に寄り添うような演奏でなかったように感じた。

なのでドラムに乗っかる僕のベースも、いまいちアガってこない感じが終始あった。


それでその事前の話を思い出した。ああそう言えば納得いってないって言ってたな、と。その微妙な感じを、演奏で感じ取れるのは面白い。

なのでやっぱり音楽、演奏は「気持ち」でしかない。




予想通りにくったくたになって夜に帰宅。


そして予定通り買い手のついたスロット機の説明書作りと梱包作業をとっとと始める。


いつも通りスムースに作業して、こんなにくったくたになったの久しぶりだなと0時過ぎにぐっすりと寝た。

しかし驚いたのが、どんなに疲れていても睡眠継続時間はやっぱり4時間くらいだった。


齢をとると、睡眠の1セットが4時間程度になる。寝床が悪いと2時間とか。それを何セットやるか、みたいな。

睡眠継続時間が疲労の度合いで変わらなかったのには驚いた。
でもかなり気持ちよく寝て、長めの色んな夢を見た。



宿直専門なので日中の児童の様子をほとんど知らないのだが、今日の日中、ある中学生の子の行動原理が気になった。



その子は生育環境からか、とにかくわがままで支配的。「いつも自分が中心にいたい。自分の思い通りにしたい」が行動原理だ。
それが日中ので活動でかなり顕著に見えた。

今日は音楽室でのバンド練習があったので、いつもいる児童らがほとんど音楽室に見学に来たため、一緒に外遊びする児童がいない。

しかも各々、個々で好きずきに遊んだようでそのワガママな子はおそらく普段にはない孤立を感じたみたい。


その子はとにかく団体行動ができず、自分の支配領域に居たい性格になってしまった。
なので音楽室にも来ない。来たくても来れない。そこにはどうやってもその子の支配領域は無いので。


もちろん他の子はなんにも気にしていない。行きたきゃ行くし、行きたくなきゃ行かない。


そして普段の生活ではそんなワガママなヤツに仕方なく、かなり仕方なく付き合ってやってる、と言う状況。

今日はそんなわがままな、その子の性格が顕著に見えた。

こうやって、特別な楽しい時間を自らの壁で隔ててしまう。

普段は何もないのでワガママに皆を付き合わせて、それでごまかし切れても特別な状況になるとその分きっちり割りを食う感じ。
その時に感じる孤立感は相応だろう。

しかも驚いたのが、午前中の空き時間に「キャッチボールやりましょう」と言われ応じたのに、その時だけ急に雨が降った。

そしてキャッチボールは諦めると昼食後の午後に直ぐに晴れた。


また「キャッチボールやりましょう」ときたが、ちょうど午後からはバンド練習の機材運びを音楽室に行く皆でやる時間なので断った。
なんというツイてなさ。今日はどこまでも孤立する日なのか。


将棋好きの子、バンド練習を見てドラムを教えてほしいと言い出した子、バンド練習を見て「自分は何にもできない」と何故か凹む子、演奏の爆音の中でも普段通りキーボードを自由に楽しむ子、個々で遊んでいて気にしない子など、他の子が少しづつ前向きにそれぞれの個性を強めていく間、自分に壁を作って、慰みみたいなワガママと支配で自分の殻に閉じこもって動けない子との差が大きく見えた。


そういうワガママで支配的な行動原理には直ぐに限界が来る。きっと、どこかでで本人が気が付くしかない。「このままじゃ駄目だ」と。まだ中学二年なのでこれからの話だけど。



まぁ予想通り疲れたし濃ゆい一日だった。でもこれで正念場は乗り越えた。


本番の機材も今日の練習機材で賄えることが解ったし、あとはもう演奏については個々の想いとかそういう領域になるのでもう何も言うこともない。


やらなきゃいけない準備が今日で全て片付いた感じ。



そして実は今日のバンド練習で、僕のベースの2弦のチューニングが誤って半音高かったことはマジで秘密にしておこう。

普段使わない楽器本体についているチューナー、#で半音高いと「A・」みたいな表示になる。その「・」の存在を知らなくて「なんか気持ち悪い響きあるけど俺のせいじゃないな」と思い込んでいたら完全に俺だった。

散々ギターの子に「バンド演奏なんだから正確なチューニングにこだわれ」と言っておいて、いざスタジオ入って自分の弦が一本、正確に半音ズレてたなんてマジで言えない。

そこは「・」表示じゃなくて「#」表示にしてくれよ。

以上。


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