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【実像】迫るバーゼル最終化 実務者も対応に苦慮か

国際的な資本規制「バーゼル3最終化」。新型コロナウイルス感染症に伴う開始延長を経て、2025年3月31日から国内金融機関で適用が始まる。実務者や経営陣以外にとってなじみが薄い資本規制だが、金融機関経営に与える影響は甚大だ。

バーゼル委が事務局を置く国際決済銀行(BIS)

信用リスク計算見直し

17年12月、バーゼル銀行監督委員会の最終合意を踏まえ、バーゼル3の枠組みが固まった。24年3月31日から、海外に拠点を設ける銀行や独自の内部格付け手法を採用する金融機関が適用を開始(23年3月期の早期適用行などを除く)。与信額に所定のリスク・ウエート(RW)を掛けて計算する「標準的手法」を採用する銀行や信用金庫などには、25年3月31日から適用される。

自己資本比率は、分子の自己資本を、分母の「リスクアセット」で割ることで計算する。自己資本は、普通株式や内部留保など。リスクアセットは、信用リスクアセットやマーケット・リスク相当額、オペレーショナル・リスク相当額を合算して算出する。

今回適用される資本規制では、リスクアセットの計測手法が見直された。国内金融機関の「(リスクアセット全体の)8、9割」(金融庁)を占める、信用リスクの算出方法が大きく変わるのが特徴だ。

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