渋沢栄一に会いにいく!
NHK大河ドラマ『青天を衝け』、見てますか?日本経済の父などとも言われる渋沢栄一が主人公。僕は結構な“渋沢マニア“を自認していまして、北区飛鳥山にある渋沢資料館はたびたび訪れています。今はコロナ禍で事前に予約しないと入れないのですが、少し前までは「心に迷いが生じると資料館に行くーー」みたいな状況でして、まあ常設展の内容はほとんど覚えている感じ。企画展もここ数年はほぼ漏れなく見ていると思います。結構なマニアでしょ?
この週末は、飛鳥山の葉桜見物も兼ねてNHK大河ドラマ館に行ってきました。ということで、冒頭の写真は栄一(いくらなんでも二枚目過ぎる!)とお千代(いくらなんでも美形過ぎる!)と撮ったスリーショットでございます。
渋沢栄一といえば、約500社もの企業の節立に関わったということで「日本資本主義の父」などともよく言われるわけですが、実は渋沢栄一自身はほとんど「資本主義」という言葉を使ってないんですよーー。「資本主義」ではなく「合本主義」という。「合本主義」とは、国際政治学者で渋沢研究に造詣の深い木村昌人さんによると「公益を追求するという使命や目的を達成するのに最も適した人材と資本を集め事業を推進させるという考え方」という定義だそうです。「公益」が前面に出てくるところがかなり特徴的。江戸時代から明治時代に変わり、国を強くしていかないと西欧の大波に飲み込まれかねないという強い危機感が背景なのでしょう。しかし、今の時代になってみますと、地球環境の維持や企業の社会的責任が広く問われ、ESG、SDGsが当たり前みたいなっており、むしろ非常に先進的です。
渋沢さんのすごいところは、こうした企業を通じて日本の近代化に貢献しただけでなく、約600もの社会事業に関わっているところ。これは例えば大学であったり、福祉事業だったり都市計画だったり……。さらには人生の後半には民間外交にも活躍し、二度のノーベル平和賞候補にもなったのだそうです。1931年に亡くなり、享年91歳という長寿。エネルギッシュに江戸時代から明治、大正、昭和まで駆け抜けたのですね。2月に日経CNBCの番組にご出演いただいた作家の守屋淳さんは「日本近代の建設者、設計者」と表現していました。なんと言いますか、人間としてのスケールの大きさが圧倒的です。
さて、大河ドラマ館。下の写真は「なりきり1万円札」サービス。誰でも無料で、アプリから1万円札の顔になれます。実際に渋沢栄一の1万円札が発行されるのは24年からです。うん、まあ、たまにはお札の顔になってみるのも悪くないです。
そしてある種のゆるキャラ?大河ドラマ館前で「しぶさわくん」との2ショットです。かわいいんだかなんだかよく分からない気がしますが、取りあえずポーズは決まりました。
こちらは茅場町になりますが、日証館ビルにある渋沢ゆかりの赤石。渋沢栄一が生涯大切にした縁起石で、なんでもこれに触るとお金持ちになれるとかいう噂もあり、僕もしょっちゅう触っています。東京証券取引所の真向かいにあります。
渋沢栄一の人物を彷彿とさせるエピソードはたくさんあって、なんと言いますか、本当に「格好いいなぁ」と思うわけです。なかでも僕が常々「すごい!」と思っているのが、「来訪者がいかに多くても、時間の許す限り会うように努めていた」という話です。『論語と算盤』にこんなくだりがあります。
「老年となく青年となく、勉強の心を失ってしまえば、その人は到底進化するものではない。いかに多数でも時間の許す限り、たいていは面会することにしている」
まあ、尋常でなく忙しかったはずですし、会いに来る人の話には「出資を仰ぐようなというか、無心に近いような話も少なくなかったのでは?」と想像するのですが、なんと心の広いことか!ということで、僕はしょっちゅう会いに行っているというわけです。みなさんもいかがでしょうか?大河ドラマも一段と楽しくなるはず。恐らく今年は色々な場所で渋沢関連の催事があるでしょう。渋沢さんはきっと嫌な顔一つせず会ってくれると思います。
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