2021年大納会雑感――来年こそは日本株の復活を!
2021年12月30日(木)。大納会の日経平均株価は115円17銭(0.4%)安の2万8791円71銭で取引を終えました。市場関係者の間では「大納会なのにこんなに閑散なのは珍しい」との声が聞かれるほど、静かな商い。東証一部の売買代金は1兆8438億円にとどまりました。
日経平均株価、年間では1347円(4.9%)の上昇に
年間では1347円54銭(4.9%)の上昇。しっかり上昇したといえばそうのですが、米国ではS&P500株価指数が12月29日までに昨年末来28%も上昇し、70回も過去最高値を更新しているのに比べると、何とも寂しい感じは否めません。日本株、あるいは政治も含めて日本自体への関心の薄さが背景にあったような気がします。
新型コロナで一変した大納会の風景
大納会と言えば、例年であれば東京証券取引所にその年に大活躍した有名人が打鐘のために招かれ、一般の方と市場関係者、(野次馬を含む)メディア関係者でアローズのプレゼンテーションがごった返すのが常でした。半日取引だった昔ほどではないですが、兜町界隈では、そこかしこで振る舞い酒があり、年末を実感したものです。
新型コロナでそれも一変しました。昨年はそもそも大納会のプレゼン自体がほぼないような状態。今年はNHK大河ドラマ「青天を衝け」の渋沢栄一役で活躍した吉沢亮さんがゲストで招かれました。ただ、プレゼンテーションスペースには限られた関係者だけが入れる状態。僕自身もだいぶ離れた日経CNBCの放送ブースから遠めに眺めていました。今年の大河は毎回録画して、ほぼ毎回のように涙しながら見ていたので残念ではありますが、コロナの状況も昨年よりは少し良くなっているのだと思います。来年がもっと良い年になることを願います。
2022年の日経平均株価、3万3300円の高値を予想
さて、自分自身の備忘録として年末時点での直居の2022年予想を記しておきます。
日経平均株価の高値
3万3300円(4-6月)
ちょっと強気でしょうか?ざっくりとした考え方は来年度の企業業績は10%の伸びがコンセンサス。加えて13.8倍にとどまったPERが14.5倍程度(アベノミクス以降の平均に少し欠けるくらい)まで高まる要素を加えて、はじいた値です。昨年末の値から15%程度の上昇余地をみます。4-6月の決算発表頃に業績期待と日本株の見直し機運が重なって意外高となるものの、年後半は、米金融政策や中間選挙の不透明感で波乱の展開。
ついでに言えば、米国株は利益成長なりの10%程度の上昇――。つまり日本株の方がパフォーマンスが良い年になるのでは……。世界の景気回復が続く中で日本株にスポットが当たる面に加え、東京証券取引所の再編が(今は正直いってあまり評価、注目されていませんが)意外とガバナンス改善に効く――という認識が広がることが見直しの要素と考えます。米国株に弱気というわけではないですが、今年よりは業績、株価とも鈍化してもおかしくないと思いますし、金利や規制の面でハイグロース株には逆風が感じられる時間帯と予想します。少々びっくり予想っぽいところがありますかね? 我ながらややホームカントリーバイアスを強めにかけている面が否めませんが、それくらい、今年の日本株に対する評価が低かったのだから、「復活の芽」くらい見える年であってほしいと思います。
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