ユーザーが離反しても共感や愛着は活き続けている
こんにちは。ブランドチームの小池です。
前回は持木から「共感 × SDGs」について紹介しました。「共感は4割を目指そう」「SDGsは共感を高める1つの要素」といったものでしたが、今回は「共感や愛着 × ターゲット」についてご紹介したいと思います。
施策を検討する際は、多くの場合「ターゲット」を定めると思います。ターゲットといっても職業や年齢など属性的なものや価値観、行動特性など、どんな設定をするかは様々です。
日経リサーチの「ブランド戦略サーベイ」では、測定企業ごとに製品・サービスの購入・利用状況を確認しています。そこで、
ユーザー、離反ユーザー、ノンユーザー別でみた「共感」
ユーザー、離反ユーザー、ノンユーザー別でみた「愛着」
について分析をしてみました。
購入・利用状況ごとにみた「共感」「愛着」
(ブランド戦略サーベイ コンシューマー編より、全社平均)
当然ですが共感や愛着は「ユーザー」が最も高くなります。「離反ユーザー」と「ノンユーザー」はまとめてしまいがちですが、分けてみてみると実ははっきりと差が出ています。一度トライアルしている「離反ユーザー」のほうが「ノンユーザー」よりブランドへの共感・愛着は高いのです。これはノンユーザーを開拓するよりも、離反ユーザーを取り戻すことのほうが取り組みやすいと考えられます。
ユーザーの維持・拡大には、ユーザーを離反させないことも重要ですね。そのためにはブランドの体験を通してどんなことに不満を感じているのか、なぜ離反してしまっているのか、という本質を理解することが必要です。
「アンケートしてもブランドスイッチの理由がいまいちわからない」とご相談いただくことがあります。離反ユーザーの声を聞くことは大事ですが、聞き方の準備をきちんとすることでより鮮明な結果が出てくることが多いです。
昨今、急速にデジタル化が進み、提供側が考えている以上に顧客のブランド体験は複雑化している可能性があります。自社のブランドはどんな接点でどのような価値を創造、または損なってしまっているのか、改めて確認することも共感や愛着を向上させる要素になるのではないでしょうか。
(日経リサーチ ソリューション本部 ブランドチーム 小池拓郎)