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SECとは 海外調査の超キホン

こんにちは、日経リサーチ ブランドチームの福田と申します。これまでリサーチャーとして、国内・海外の調査設計、分析・レポーティングに携わってきました。皆さんの業務において、少しでも有意義となる情報をこの場を借りて発信していければと思っております。

さて、今回は海外調査における対象者条件について書きたいと思います。

私が国内の調査部門から海外部門へ異動したときに「へぇー、そうなんだ」と学んだことの1つは、SEC(Social Economic Classification)の存在です。

皆さんが調査を行おうとする際は「調査目的」に合わせて対象者条件(誰に聴きたいのか)や、どのくらいのサンプルを回収するかを検討するかと思います。性別、年齢、居住エリア、収入‥などの条件で、それぞれ何サンプルずつ回収しよう‥と、まずは調査設計から始めるのではないでしょうか。

国内の調査では聞きなじみはないかもしれませんが、海外調査(主に新興国)では、SECも対象者条件の一要素となります。

SECとはナニか?

「社会階層分類」のことで、消費者を富裕者層、中間所得者層、低所得者層に分類することです。新興国ではまだまだ格差があるため、消費者の生活レベルをより精度高く捉えるために用います。

SECは暮らしぶりが把握できる設問の回答結果をもとに算出・定義をします。例えば、フィリピンでは世帯月収に加え、

①近隣環境(田舎 ⇔ 都心)
②住居の耐久性(掘っ立て小屋 ⇔ 高級マンション)
③職業(未修練なブルーカラー ⇔ 役職付きのホワイトカラー)
④学歴(中学卒以下 ⇔ 大学・大学院卒)
⑤所有物(テレビ、パソコン、自動車、クレジットカード‥など)

などの回答結果を得点化し、分類分けを行います。下記は一例ですが、A~Eに分類します。

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皆さんの企業でも、商材ごとにターゲットとしている顧客がいると思います。上記のような社会階層でターゲティングができる場合は、対象者条件に加えるか検討するのも一案です。

自動車のような高級耐久財であれば「SEC B以上の対象者条件になるよう設計する」。トイレットペーパーのような日用消費財であれば「SECは気にせず広く消費者の声を聴くが、それぞれの層の評価が分析できるようSEC設問は聴取する」。といった、調査目的や商材に合わせた検討の余地があります。

なお、SECは国によって設問が異なります。国によって「世帯支出額+水道・ガス・電気の利用状況」の組み合わせや、シンプルに「世帯主の月収額」で設定したりします。ただし、SECは国によっては確固たる方法論が確立されていないケースや、社会変化により日々変わっていくため、日経リサーチでは現地の調査会社と議論の上、設問設計、分類基準を定義しています。

以上、海外調査における対象者条件について、私が学んだ知識をお伝えしました。少しでも皆さんにとって有益な情報となっていれば幸いです。

(日経リサーチ ソリューション本部 ブランドチーム 福田浩之)

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