しのび寄る「超円高」の悪夢
今朝、新聞報道で「しのび寄る「超円高」の悪夢」という見出しの記事が目に付き見入っていた。新聞の報道によると日米の金利差が少なくなってきて、このままだと円高に進むのではないかと言うもの。
日米の金利差
その金利差(10年債)はいかがなものかと、具体的なグラフを見つけた。今年の1月に差が1.9%あったが7月末には0.7%まで縮まった。この0.7%という数値はリーマンショック以来の最低水準ということである。2011年頃の為替は80円台で推移していた時期もある。 #低金利 #金利差 #キャリートレード #超円高 #リスクオフ #リスクオフ #国債 #米国債 #10年国債 #為替
コロナの影響で経済活動が停滞し、FRB、日銀を始めとする中央銀行は財政出動を行い、低金利で経済活動の下支えをしている。日本では2012年からのアベノミクスの3本の矢ということで10年債利回りをゼロ%程度に誘導する「イールドカーブ・コントロール(YCC)」を導入。日本の政策とは一線を画していたFRBも今年に入り長期のゼロ金利政策に転換すると表明、同じくYCCの採用も検討している。日米とも中央銀行が金利を低くする(日本はこれ以上下げられないが)と金利差がますます縮まり、今の0.7%までに差は縮小した。
日本10年債利回り
ゼロラインより少し上で推移
米10年債利回り
FRB理事長がパウエルに変わってから低金利に方向転換
日米の金利は米国のほうが高金利であることが基本。
例)
米金利=5% 日本金利=4% とする。 100万円を1年間運用した場合、米=105万円
日=101万円となり4万円に差が生じる。
これが為替レートが
1. ドル高・円安になる。
2. 動かない
3. ドル安・円高になる
2は4万円のまま
1はより利益が増える
3は損をする可能性がある。
こととなる。
リスクオン・リスクオフ
米国の金利が大きく日本の金利を上回っていると、世界の金融・資本市場で投資家が運用リスクを取る「リスクオン」の時に為替市場は円安。ドル高に向かう。低金利の円で資金を借り、それをドルに両替しリスク資産に投資する「キャリートレード」が活発になる。
一方、リスク回避が強まる「リスクオフ」になると、資産を売って現金化したドルを円に替えて借りたお金を返す巻き返しが起こる。リスクオンの円安、リスクオフの円高となる。
日銀のゼロ金利が続き、FRBも金利を下げてくることにより、金利差はますます縮まる。
最近の為替
最近の為替の動きを見ると、7月23日まではレンジ相場となっていたが、それ以降急速に円高となり、107円から104円台まで値上がり。30日に米GDP速報値の発表があり史上最大の32.9%の下げ幅との報道があった。事前に見越したような推移となった。
今後は全世界的に経済活動の停滞が予想されている。日本経済の基本は輸出なので円高がもたらす影響は計り知れないものと思う。来るべきものが来ると身構えることも必要なのか。