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持久走を嫌っていたはずなのに、毎週走ってるし10kmマラソンにも参加した

苦手なスポーツは?と聞かれたら真っ先に答えるのが
持久走だった。

学生の頃の3km走は手抜いてますけどね、みたいな顔で
最後尾グループに死にかけながら埋もれていた。

運動部に所属していたものの、その持久力のなさは
随一だった。自分でも不思議なくらいに走れなかった。

そんな自分が今、毎週日曜日の早朝にオペラハウスや
ハーバーブリッジあたりを6kmほど走っている。
(筆者は現在シドニーでワーホリ中です)

1人ではない。IKIGAI RUN CLUBというランニングの
コミュニティに参加してる。
日本語話者が大半だけど、英語話者もウェルカム。

このコミュニティに参加し始めたのは4ヶ月ほど前。
語学学校も終わって本格的に暇を持て余し始めていた。
仕事の募集でも落ちてないかなーとFacebookを
流し見していたら、このコミュニティの投稿が
目に入った。

まだその時は名前も付いていなかったと思う。
発足して数週間って書いてあった気がする。

そこに何故か、参加希望のメッセージを送っていた。
あえて苦手なことをするコミュニティに。
しかもみんな明るそうな人たちで、根暗を具現化した
自分は会った瞬間弾け飛ぶ可能性すらあったのに。

当時は友達もいなければ他にやることもなく、
無差別的に人との関わりを求めていたのかもしれない。
あと初心者歓迎って書いてた。

奇跡的に日本から運動用のシューズを持参していたので
早速その週から参加し始めた。
この時の自分の行動力を褒めてあげたいです
(メダリストの顔つき)

ここからほぼ毎週、気づけば4ヶ月も参加し続けている。
毎週朝走って、カフェで談笑して、それで解散。
そこから仕事に行く人もいれば、帰る人もいるし、
ビーチに行く人も、一緒に遊ぶ人もいる。

この絶妙に淡白な感じが居心地の良さでもある。
気軽に参加できる雰囲気。

あといつもいる人たちが良い人たちばかり。

正直言うと、最初は怖かった。
前述した通り、自分は所謂"陰キャ"の属性で
他の人はすべからく"陽キャ"の属性だった。
(これが稚拙な枠組みなのは自覚しつつも、これ以外に
分かりやすい表現が思いつかない)

陰キャの特徴として、被害妄想と自己防衛の為
陽キャを一方的に冷笑する悪い癖がある。

自分もそれに違わず、参加する前は勝手なイメージで
彼らにレッテルを貼ろうとしていた部分があった。
(これを読んでいるコミュニティの皆さん、今は
1mmも思っていないので許してください)

そんなイメージはすぐに払拭された。
というか寧ろ、自分のやりたいことや目標を明確に
持っていて、その為に積極的に行動している人たちだと
理解し、尊敬の念が尽きない。
(本心100%)

そんな訳でそんな素晴らしい人たちと一緒に
週末に走る生活をしばらく続けていると、
2月1日に10kmマラソンのイベントがあるとの情報が
共有された。

シドニー北部のDee Why BeachからManly Beachまで
走るコースで、チームで参加する予定の階級は
時間制限無しのカジュアルなものだという。

話を聞いた時は、出る人すごいなーと思いつつ
応募はしなかった。10km走れる気もしなかった。

普段のランは途中で休憩を挟んでるし、人生で
5kmすら続けて走ったことない人間がいきなり
10kmなんて…と初めから諦めていたのだが、
なんか参加予定の人たちみんな楽しそうだし
みんなで揃いのTシャツ作るって話を聞いて
部活みたいでええな…となってしまった。

ランニング後で若干高揚したテンションのまま
参加フォームを入力し、参加費も払い終えていた。

家に帰ってから俺10km走んの..??となったが
もう引き返せなかった。
この時点で1月中旬、イベントまで2週間だった。

まずやったのは「10km 初心者男性 平均タイム」で
検索することだった。完走すら危ういのに。

どうやら60分切れたらまずまず、とのことらしかった。
イベント当日はみんなで一緒に走るらしいからペースは
ここまで早くならないと信じつつ、1km6分を目標に
付け焼き刃のランニング練習を始めた。

幸い家の前の道路が1.5kmの直線道路だったので
最初は片道を9分で、次は往復を18分、次は5km地点を
測って30分で走ってみようと計画した。
残り2週間、一応週5日でアルバイトもしているので
できることはあんまりなかった。

なんとか上記の計画は達成したものの、結局当日まで
10kmを走ることはなかった。
楽しみは本番に取っておきたいから、と自分に言い聞かせた。


そうして迎えた2月1日。イベント当日である。
SUN RUNの名を冠するこのマラソンは参加者が1万人を
超えるらしく、朝5時発のバスは既に満員だった。

なんとか6時過ぎに集合場所に到着した。
準備運動をしつつ他のメンバーを待っていると
日の出の時間が訪れた。

夕日みたいだななんか

6時50分、お揃いのTシャツに着替えてスタート地点へ。
約1時間後の自分がゴールにいるか道中を歩いているのか
予測不能な未来を案じながらメンバーと共にスタートした。

始まったねー、人多いねーなんて談笑しながら走っていたら
3km地点あたりまではすぐだった。
途中のトイレに立ち寄って、先に行ったメンバーにダッシュで
追いつくような余裕もあった。

4km地点で最初の給水スポット。紙コップに入った水。
みんな飲んだ後余った水と共に地面に投げ捨ててるから
すごいことになってた。これが普通なのかもわからん。

5km地点、既に折り返し地点であることに驚いた。
ペースがゆっくりめな上、人と走ってることが大きい。
走りながら喋っている、というよりも喋るついでに
走っているような感覚すらあった。

7km地点を超えたあたりから坂が多くなってきた。
後半に試練を与えてくるタイプのコースだったか。

みんなヒイヒイ言いつつも余裕そうだった。
実際自分も思ったより疲れていなかった。

最後の方はManly Beachも見えてきて気持ちよく
ラストスパートを走ることができた。
沿道にいる観客の声も良い刺激になった。

ゴールゲートも見えてきて、最後の直線に入った。
みんな自然とスピードが上がっていった。

周りに服を揃えて走っているチームがおらず
日本人自体も珍しかったからか、ゴール手前で
マイクを持つ運営の人がしきりに我々の名前を
叫んでいた。

そうして10kmを楽しいままに走り切ることができた。
自分でも驚くほど、気持ちの良いマラソンだった。

ゴール後に配布されたのは記念メダルとりんご丸ごと。
Manly Beachを眺めながらりんごを齧るなんてあまりにも
オージーすぎるじゃないか。最高や。

みんなで写真を撮って、少し移動してご飯を食べて
昼前には解散した。家に帰っても12時過ぎだった。

少しだけ痛み始めた膝が、10km走ったという事実を
感じさせてくれた。

参加して良かった、感謝です


シドニーに来ていなかったら、あの時Facebookを
見ていなかったら、メッセージを送らなかったら。
きっとマラソンとは無縁の人生を歩んでいたと思う。

ワーホリに限ったことじゃなく、生きていくうちに
こういう分岐点は無限に存在しているんだと思うし
どの道に進んでも間違いではないんだと思う。

ただ、現状そのifルートは見られないらしいので
今進んでるこの道が最善で最適で最高なのだと
考えるしかないし、考える方が楽しく生きれる。

死んだ後のエンドロールで、別の道を選んだ
自分を見せてもらえたら、それで良いです。

P.S.渡航前の自分を知る方々へ
こいつちゃんと海外に染まって変わっちまった
じゃん、と思うかもしれませんが、根っこにある
陰湿でオタクでキモい人格はそう簡単に変わって
くれません。

というか変わってたらnoteでニタニタ自分語り
してないでビーチとかバーに繰り出しています。

そう遠くないうちに日本に帰ると思います。
構ってください。よろしくお願いします。

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