IV.フライト当日
飲みすぎた翌日にはよくあることだが、4時頃に目が覚めて(酩酊から復帰しただけ)眠れなくなってしまった。仕方がないので水を飲んだりしつつ酔いを抜きにかかる。吐き気などはなく、ぼちぼち元気。9時35分フライトの便に乗るために、早めを目指して5時半頃のバスに乗る。日本人が中国人がという以前に人が乗っていない。第二ターミナルに降り立ち、早々にチェックインカウンターに向かう。人がいない、カウンターも営業前と完全にフライングした。酔いも残っている。水を飲んだりなんだかんだしているうちに、乗客と思しき人々がカウンターに集まってくる。
大連行きの人々へのご連絡。飯ないんすか…。
乗客と思しき人、ほぼ全員中国人である。防備が異常に厳重。マスク二枚重ね、ゴーグル、手袋、防護服など、見た目よりも安全を全力で目指している。まぁ丁度東京の感染者数が400人を超えるとかいうやべー時期ではあったからしかたないわな。
その後、なんだかんだでチェックインできた。この時に、中国海関が出している健康状態アプリのインストールと申告をしたが、すべてが中国語、しかも入力内容が超細かくて難儀した。結局JALの中国人社員の方におんぶにだっこで乗り切った(結局大連ついてから修正したけど)。
すべて中国語。判るわけねーだろ。
可能な限り説明すると、確か「我的」のところで健康申報をする。選択した項目は入境、姓名とかはアルファベットで入れろよ!あと、中国にいる知り合いの名前と電話番号がいるので控えておくこと。その他は無か否をチェックしておけばOK!
一苦労を終え、セブンイレブンで日本最後の飯を食べる。五目あんかけ焼きそばと白おにぎり。大連市からの要請で、機内食はなしなので、かなりしっかりめに食べる。手荷物検査他もつつがなく終わり、搭乗口のあたりで時間を待つ。まず飛行機がそこまで大きくない。そして周囲はほとんど全員中国人。圧がすごい。
飛行機に乗るにも検温、マスクを外して顔の確認などなど、かなり時間を要した。結局予定のフライト時刻を過ぎて飛ぶこととなった。眠すぎて駐機場内を走っている間に眠る。
起きたら壱岐の島のあたりであった。関空のが大連近いじゃねーか!!と思ったがそれはそれ。特に何もせずに過ごしていたら、現地時間11時45分に大連についてしまった。時差は一時間。つまり日本は12時45分。機内食なんてものはなく、飴と水だけで過ごす。手荷物として、キャラメルとキットカットを持っといてよかった~~。
着陸までは日本語のアナウンスが優占だったが、着陸からはアナウンスが中国語ばかりになる。全身防備をした係員が飛行機の中に入ってきて、一部の人を引きずり下ろす。一回肩をたたかれて死ぬかと思ったが、偶然だった。寿命5年縮む。それ以外は何事もなく、その他大勢として降りることに成功する。大連空港はgoogle mapsで見た限り小さい空港で、最悪山形空港くらいのサイズかと思っていたが、割合広かった。携帯の機内モードを切ったら中国移動の電波を拾っている!WeChat無事開通。ついでにVPN接続を試したらFacebookもつながった。金盾チョロすぎ~!!(死亡フラグ)。因みにこの時使ったのはVPNねこという無料VPNアプリ。とりあえずつないでみるにはこれでいいかもしれない。
飛行機を降りたら検疫の列に並び、番号を貼られる。番号132番!前に来い!って言われるアレ。まずは入国の申し出をする。列が長い。一応日本人と申告したら「日本語行けるテーブルあるからそこ行って(気合の意訳)」と言われた。社長と一緒にデスクに行き、成田でオンライン申告済ませてますがな顔をしてQRコードを出したらダメ出しをされる。ま…まじっすか~!?!?!?パスポートのアルファベット表示と同じ記名にしろとのこと。漢字圏同士だし漢字でええやんと思っていたらそんなことはなかった。名前をアルファベットにして再申告し、無事検疫入管終了。番号を示して、PCR検体用容器を受け取る。
PCR検体採取はひとつ下の階で受ける。マスクをしている上に中国語で全然言っていることはわからないが、身振り手振り気合と英語で何とか小部屋に入る。マスクをずり下ろして、鼻に綿棒を突っ込まれる。今までいたずらでも入れたことがない範囲に綿棒を入れられる。人間の体ってすごいなぁ…。無事終了。と思ったら次は喉に綿棒を突っ込まれる。吐きそうになったのでちょっと後ろに下がったら、もっと突っ込まれて死ぬかと思った。吐かなくてよかった…。マスクを廃棄し、新しくKN95というアヒル口のマスクを支給される。
イミグレでは特に何もせず、すんなり通してくれる。問答もなし!すごいぞ就労ビザ!荷物を受け取る。スーツケースが…濡れている…?触ってみるとものすごい塩素臭い。消毒用の水を死ぬほどかけられたということか。ズボンが触れたら色抜けそうだけどいいや~(ユニクロの感動パンツだったので、ギリギリ容赦した。)。
税関のカウンターに行く。死ぬほど言葉が通じないが、社長の気合の関西弁と井上の気合の百度翻訳で何とかサインとハンコを手に入れる。カウンターのお姉さんの、イライラしていることを全力で伝えてくる感じがたまらない。
入国完了したところで係員が待ち受けていて、隔離の手続きをとる。このタイミングで日本語上手な人が出てくる。税関のほうが日本語できろよ!!!と思ったがおとなしく過ごす。日本人4人、バスに乗せられてホテルに向かう。いろいろして結局午後2時頃に出所を果たした。思っていたよりは早くすんでよかった。
ついに中国国内で初めてのシャバに出る。暑いぞ…大連。バスの中には冷房がない。暑くてもみあげから汗が滴る。空港でも気になったが、景色を見ても気になるレベルで、工事の仕舞が雑。水平をとるとか、コーキングをきれいに仕上げるとか、水勾配をきちんととるとか、そういうこときちんとするよう業者に指示することを固く心に誓う。外ではセミが鳴いている。思っていたよりも日本と植生も近いみたいで、異国に来た感じがない。
ホテルにつき、またいろいろ手続き。結局この移動で、中国国内の電話番号を10回くらい書かされた。このホテルのフロントで、初めて防護服を着ていない現地人を見た(ミニスカ)。うれしい。驚いたのが、メールアドレスを聞かれるノリでWeChatのIDを交換する。健康状態確認の時にがアニメアイコンが「15時~16時半の間に体温を報告すること」と言ったり、明らかに盛りまくっている顔写真のお姉さんに「これで年齢あってる?」と聞かれる。ちなみに井上のWeChatアカウントはスキンへッド時代の照明写真(院生のときの学生証の写真)。失敗したか…?
うれしい誤算だったが、かなりいいホテルで隔離を受けられるよう。40平米くらいの部屋で、窓も広い。この部屋なら14日間過ごせるぞ~!と思って早速全裸になる。数歩歩いて気付いたが、床が尋常じゃなく汚い。土足生活だとこうなるの???っていうくらい汚い。足の裏が一瞬で埃まみれになる。全裸にスリッパを装備する。快適。
腹が減り、日本から持ってきたフリーズドライおにぎりを食べる。おいし~!隔離生活のお供には水しか支給されていないが、十分。
大分汗をかいたので、クーラーをつけようとして空調リモコンを見たらクーラー10℃設定でONになっている。俺は冷蔵庫に迷い込んでいたのか…?ホンマかいな…。しかし全く冷えていない。仕方ないので汗を流そう!西洋風ホテルにしては珍しく、湯船があったので容赦なく風呂に湯を張り、風呂に入る。
風呂桶が尋常じゃなく汚い。肌が接するすべての壁面がガサガサしている。え…。嘘でしょ…。硬水だとスケールたくさん出るっていうけどさ…。いやいや…。
とかなんとかしつつ、とりあえず体を洗う。湯船の中で頭洗うのってなんだか背徳感がすごい。ついでにもってきていた風呂掃除用スポンジで風呂を洗う(コロナ感染者ブログで「あるといい」って書いてあって半信半疑だったけど必須~~!!)。一瞬でスポンジが黒ずんで死ぬかと思った。シャワーもよく見たらガラス壁がスケールでカスカスになっている。水垢は仕方ないものなのか…西洋人…ッ!風呂を流したら底に砂が溜まっていた。なんでや…。足の裏についた砂だろうと考えて収める。
なんだかんだで晩飯時になり、大相撲の結果を見る。白鵬負けとるやんけ!!見たかった~~~。ピンポンを鳴らされ、晩飯がデリバリーされる。赤飯、花巻二つ、鳥の炒め、青菜炒め、ピーナッツとザーサイのあえたの、エリンギの香ばし炒め、きくらげと長ネギの炒め。多いが…出されたものは基本的に全部食べr…あっ花巻落とした。これが日本のビジホだったら払って食うが、審議に入る。表面に毛が付着、廃棄決定。すまない…。
基本的には中華風の味付け(そりゃそうか…)。辛い物が多かったので、辛いもの苦手な井上にはつらい。食事のお供は「宝スピリッツ65」の水割り。手指消毒にも使えるし、5%に薄めれば数日は持つので超便利。65%の酒を水割りにして食事に合わせたことがないので、加減が良くわからないまま水割りにする。濃ッ…!
満腹になり、酔って寝る。
おきてから、パソコンをテレビにつなぎ、VPNの設定をして、YOUTUBEを満喫する。回線速度は遅いが見るは見れる。満足し、寝る。
暑い。寝れるか…?と思っているうちに入眠。寝返りを打つたびにベッドサイドの足元灯がつき、鬱陶しい。