Take off
日頃は全然意識していないのに、だれにも郷土愛ってあるものです。私は何においてもあまり感情移入することがないほうですが、以前感じたのは就職して入社前の合宿の時です。 全国から集まって来たCAの卵たちはそれぞれのお国言葉で話しました。
たまに関西弁、特に大阪弁の人がいると隣県で日頃はそんなでもないというか面白おかしく「大阪わねえ」とか「騒がしいのよ」とたわいもなく話していたのに里心が湧いて急に懐かしささえ覚えました。
磁石が引き合うようにとは大げさですが、見知らぬ土地に連れてこられて?心細いのもあったのでしょう。 すぐに友達になりました。
まだまだ関西弁が認知されていない時代。 東京の人たちは興味津々! でした。 「関西弁ではなんて言うの?」と質問攻め。 エセ大阪人の私もひっくるめられてきっと面白い人! と言うレッテルを貼られました。
それは嫌なことではなくチームのように小さく団結!さえして。
家族にではなく家や地域の風景が恋しくなった初めての経験でした。そのころはまだ気持ちは飛び出したいのになかなか踏み出せない巣の中の幼い鳥のようでした。
日常なら耳慣れした地元の言葉。おじさんたちの話題はもっぱら野球なら阪神のこと。
あまり感心もなく、巷のファンの嘆きを聞き流す程度でした。
それなのに巨人戦となると「阪神頑張れ!」と応援している自分がいます。
芸能人でも関西出身、特に神戸となると親せきのような感覚で見るのは只々不思議でした。
「そんなに地元愛があった?」と自分に問います。
世界で戦う日本代表、日本で競う郷土のチームにお応援の力が入ります。 これもひょっとしたら郷土愛。 弱くてもかばって応援する。 いい例が高校野球なのでしょう。
自分が生まれて育ったところ。 成長し ながらその地の物を食べ、毎日山を見て、坂の上から海を眺める。 その地の言葉を耳にしてそれが世界だと思っていた小さなころ。 日本でもこんなに違うとわかれば、ならば世界はもっととなって一皮む向けると外の景色がなんと刺激的なこと!
木が土の養分を吸って大きくなるように私も神戸の水と空気、風景に、自然に育てられました。
そんな環境を突き破って新しいことへの挑戦は育ててくれた郷土があったからかもしれません。
夏休み、田舎に帰る友達が羨ましくて車での帰省はドラマチックでもなく期待でワクワクすることもなしで日常となんの変わりありませんでした。
三時間かけて、帰省する孫たちのはしゃいでいる様子は彼らにとってはココがふるさと。
「テレビで神戸の事見たよ!また王子動物園に行こうね」とつたない手紙にあります。
郷土愛ってそこから飛び出したから分かるものかもしれません。
今日もいい日にしましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?