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ニケと歩けば quatre-vingts

シロツメ草の由来を聞いたことがありますか?。

白い爪の形をした草!ではなくて、昔神戸港に入ってくる壊れやすい製品には乾燥したシロツメ草が梱包材として使われていたそうです。

「ツメ」は「詰め」の意味みたいです。きっとほんのりと枯草の香りがしたでしょう。今やプチプチですが…。

「白くて爪がいっぱい集まっているみたいでなんか気持ち悪いやん」と、この花で冠を作っている私たちの横で従兄がふざけていたことを今でも思い出します。

彼はなんでも知りたがり屋の「ごんた!」で、いつも真っ黒で目だけぎょろぎょろしていました。

祖父の部屋に入って触ってはいけないと言われているガラスの花瓶を割ったり、障子に穴をあけるのは日常でした。大切な掛け軸に傷が見つかった時は家族みんなに疑われていました。本当の犯人は私と従姉。

遊びに来た時は必ずフジを連れてどこかに行きますがなかなか帰ってこず、真っ暗になって帰宅した時はこっぴどく叱られていました。フジは顔をなめたりぴったりと寄り添って慰めているようでした。そのフジの足はまっ黒に汚れていました。

そんな二人?の様子がうらやましくて散歩について行きましたが最後までリードは持たせてもらえませんでした。

力の強いフジに引っ張られて私がケガでもしたらまた雷を落とされると思ったからなのか従兄のやさしさなのかついぞ聞く機会はありませんでした。

四葉

ある日「おみやげ!」と言って草むらで見つけた四葉のクローバーをくれました。「これを持っているといいことがあるらしいよ。」

そんな優しいところもあった従兄も今はもういません。

公園でシロツメ草を見るたび彼のことを思い出します。身代わりになってくれてありがとう。今でも従姉と私の秘密です。



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