ジェットコースター人生 その11
半年も経つと全体の流れが見えてきましたが、相手もなかなかガードがきつく心を許してくれません。反対にこの仕事を今まで喫茶店の手伝いをしていたとはいえ、嫁ちゃんに出来る仕事ではないと、それぞれから諭されました。
「一からいろいろ教えてください。」「何とか私も役に立ちたいのです。」
毎日午前中は帳簿とにらめっこして、小学生の時に書いていたこずかい帳よろしく収支の合わせだけに集中しました。
事務員のおばさんは事細かく内情を話してくれました。真剣に机に向かっている私の姿を事務所に帰ってきた番頭たちは笑顔の中に何か面倒くさそうな表情で見ています。
そろそろ一人ずつと話がしたいと提案しました。
喫茶店と鉄板焼きの店は、安心とまではいきませんが、まだ任せておいても回っているようです。
さて何から話そうか?気負わず、ゆっくりと話そうと決めて布団に入りました。