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手料理はいいもんだ

最近は冷凍食品もレトルト食品も美味しくて、レストランの味を再現した優れものが出てきました。幼稚園や小学校の子供に「何が好き?」と聞くとママの手料理より冷凍食品の焼きめしやパスタの名前を言うようです。「給食!」も。最近は美味しくなってきたらしいです。

むかし人間の私は、味が向上したという現実より何か一抹の寂しさを感じるのはなぜでしょう。

母のおにぎりはただの塩おむすびであっても何か違いました。あぶったノリを巻いて「はい、出来上がり!」ですが熱いほうじ茶とほうばるのが小腹がすいたときのおねだりメニューの一つでした。風邪で学校を休んだ日の夕方熱が下がると一番に食べたくなったものです。

思い出の母の味と言うのがありますが、私の子供たちに聞くと野菜スープでした。「なあんだ普通!」と拍子抜けした覚えがあります。

美味しいかそうでないかではなく、きっと体の調子が悪くて寝込んでいるときの治り際にいつも厚切りのベーコンの入った野菜スープを食べさせていましたっけ。

おじさんになった息子もママになった娘も帰省するとこれをリクエストします。

何のひねりもない味付けですが我が家の…。ということでしょう。

古い話ですが当時主婦がコンビニで買い物をするのはためらわれました。

手料理が当たり前で安直にコンビニの総菜を買うのは何か母親業をさぼっているような、ダメ感がありました。なのに商店街のお総菜屋さんのコロッケやきんぴらごぼうはためらいなく買っている。

コンビニへの偏見があったのかもしれません。

今や社会的地位⁉も向上して、生活の一部になった近くの店に入って、唐揚げを買う私がいます。

主婦が楽をするということではなくて合理的な生活様式になってきたのかもしれません。

そんなことを思っていると、テレビでは、熟年主婦が作ったごっつい!と言うのがぴったりな海苔巻きや、大きくてずっしりとしたおはぎに長蛇の列とレポーターがちょっとオーバーなリアクションで伝えています。

やっぱり家庭の味、おばあちゃんのぬくもりがそろそろ恋しくなってきたのかもしれません。

今朝はいつもより冷えました。ランチには久しぶりに野菜スープを自分のために作ってみようと思っています。




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