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紹興酒は甘くて切なくて

娘一家滞在の最終日、子供たちが小さなころからよく行った中華料理店。

毎年私の誕生日には予約をしてくれるお店です。

今年は、夏休みの仕上げ?の食事会。やはり娘にとっては特別な食事処なのかもしれません。

お料理の途中、もう一人の息子!から「紹興酒吞みましょう!」の一声で大人たちは手を上げます。

娘は初体験。ところが、その昔の風景には父がここに来ると呑んでたという記憶はしっかりと残っていたようです。「お父さんはいつも呑んでたね」傍の息子が「そうそう!ザラメ砂糖をスプーンに1杯半。嬉しそうに混ぜてた。」美味しい食事に楽しいお酒。彼が大好きな時間でした。

時は流れて家族が増えても通っていたのに紹興酒を頼んだのは初めて。お盆で主人が帰ってきている証拠?なのか!きっと孫たちの成長を喜んでいるでしょう。

それも父親によく似た性格の健君からのお誘いとは…。

テーブルに置かれたとたん、娘が懐かしそうに話します。料理はいつも一緒。コースでもないのに好みは変わらず。孫たちの胃袋を満たすため、チャーハンと唐揚げのお皿が3倍に増えました。

「そうそう、この味!懐かしいわー。毎週土曜日には行ったよね!」

その当時を知らない健君も会話に自然に入って、聞いています。彼はすんなり私たちの家族に溶け込んでいて主人がいたら本当にもう一人息子が増えて喜んだであろうと思わせる人。

家族の数が増えるということは幸せな!と思える食事風景です。

いつも変わらぬ味、穏やかな接客。町の中華ですが、その分家族づれを大切にしてくれることが通い続ける要因の一つです。

はや40年。家族をいつも繋げてくれる中華料理店です。

スッカリ母娘の関係を超えて女同士になったいまでも…。

こんな風景が何回か続いて今度は孫の成人、結婚と我が家も繋がっていくのでしょう。

そんな鎖の一つに私もなっていること。一つ欠けてもほかの一つでつなぐことが出来たのは、家族という一つのご縁で集うことが出来た奇跡を改めて喜ぶことであるかもしれません。

宴もたけなわ、娘が幼い時の話をするのは久しぶり。本当にいい思い出を作ってくれた主人を偲ぶ時間にもなりました。

家族っていいなあとみんなが感じたひと時になりました。

そろそろあきてきた孫たちが大人たちの郷愁をあっさりと消し去りました。「早く帰ろー」お決まりのセリフです。

新しいエネルギーはいつまでもそこにとどまることを許さず、

時を刻んでいくことでしょう。

今日もいい日にしましょう!






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