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ニケと歩けば quarante-huit

今朝もすでに強い日差しです。オリンピックのテレビ観戦で少々疲れ気味ですが、汗をかきながらも坂を上るとひんやりと構える北野天満宮があります。坂、坂、坂。石畳みはくねくねと曲がりながらも、海から徐々に離れ、かすかにもやって見える大阪平野との間に船の行きかう黒い海原が見えます。

大河ドラマの兵庫港開港。もともとは兵庫津、和田岬辺りだったとか。英国公使のパークスによって、そこから隣の小さな寒村の神戸に白羽の矢が当てられたのが神戸港の始まりと聞きます。その後方に居留地ができ、国際貿易港として世界を代表する港になりました。

その他にも県の初代知事が、伊藤博文であったこと。ボーリング、ゴルフも海の向こうからこの地にもたらされました。

「ハイカラ」だけでは語りつくせない歴史の重さもこの神戸にはあります。

「もっともっとこの地のことが知りたい!」

路地の大きな木から耳をつんざく蝉の声が聞こえます。零れ落ち、裏返ってもがく一匹にニケは、用心しながら身をかがめます。「やっと土の中から出てきたその命を、少しでもと元の木の幹に戻しました。


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