ジェットコースター人生 その3
東南アジアの便はけっこうきつく飛行機も中型のDC8が主流でした。
細長く通路が狭い中をカートを押しておなじみの飲み物から始まり
「beef or chicken?」のミールサービスも始まります。
ほぼ毎回満席で時間との戦いもあり、ギャレー内は大忙しでした。
コクピットに飲み物をもっていくと、どこまでも続くいびつな水田の上に降
り注ぐ夕日の光があたかもブッタの国であることを知らせるみたいに神々しく黄金に輝いていました。
中でもクアラルンプールの町が大スキでした。英国植民地のころのヨーロッパの建物とアジアらしい金ぴかのお寺や所せましと並ぶ屋台のにぎやかさが
うまく混ざり合って独特の異国情緒を醸し出していました。
3年前旅行で訪れました。なつかしさに浸れるものと勝手な期待
を膨らませていましたが、近代的でとてつもなく広い空港に驚いたの
は序の口ですさまじく発展した街並みは昔の面影はありませんでした。
しかし「おいてけぼり」にされた感覚はなく、昔のままに大きなヤシの
並木はどこまでも続いて当時の私を呼び戻してくれました。この旅行でブラ
ンクの間の私が歩んだ道とこの都市の発展が大きな時の流れを実感させてくれました。
人にも国にも歴史ありです。