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10/26 いまさらルンバ、そしてなぜか人物造形のこと

 今日のお題は #おすすめ家電

 今更ですが、ルンバですよ。毎日定刻に自動で動き出すあいつです。
 あいつのおかげで、誰も床にものをおいたままにしなくなりました。喘息アンドアトピーの連中の健康もどうにか守られているようです。子犬さんの毛にも悩まされることがありません。ルンバ様のおかげです。

 以前住んでいた家は古い一軒家で階段や段差に阻まれてあまり活用できなかったのですが、マンションだとほっといても全室回ってくれるので本当に助かります。本当に今更ですが、おすすめ。

『女の敵には向かない職業』読み始め


 昨日の記事を始め、自分には書く意味があるけど、読んでも何のこっちゃらとなりそうな記事はメンバーシップの方へ入れていくことにしました。

 日頃より有用な記事がサブスクなのは納得できるけど、不要そうなものがサブスクなのは?? ちょっと意味がわからない気もするのだけれど、私がやりたいのは『ワンピースの映画の付録冊子』みたいなやつです
 頑張らないでも自然と出てくるものでなければいけない。じゃないと私みたいな怠け者が続けられるはずがない。
 サービス精神というか、相手に何かいいものを差し出そうとする気持ちのなさに自分で引くけど。何らか持ち帰ってもらいたいなとは思う。


 おそらく私の書く、人が読んで何のこっちゃらとなるやつは小説の人物造形に関わるようなものです。
 例えば、「嫉妬」をテーマに持つのは「黒いネコの友達」シリーズでは陣内千秋、香澄母娘と高橋かなえです。千秋は夕子に香澄は七緒に、かなえは百瀬、それから七緒に嫉妬して、間違った行動に出てしまいますが、私はそれをただ彼らの人間性の問題にしたくない。共感し難いおかしな行動をする嫌な人間なのだと見切りたくない。


 夢を手にし、そしてあっさりと手放した夕子が妬ましかった。どんなに自由に振る舞っても母親の注目を一心に浴びられる七緒が羨ましかった。華奢で色白な百瀬が憎たらしかった。男子と急激に距離を詰めた七緒が目障りだった。

 それは、夢破れた千秋だから。いくら期待に応えても当たり前で親に注目してもらえない香澄だから。自分の見た目にコンプレックスを抱くかなえだから。気になる相手に振り向いてもらえないかなえだから、抱いた嫉妬の感情だ。
 以前より抱いていた癒えない傷が刺激されたせいで、思わぬ行動に出てしまった。そして人を傷つけてしまった。
 そしてそのことは、翻って自分をも傷つけたはずだ。傷つかないように、一瞬で正当化したり抑圧したりしてしまったとしても、必ず。

 自分のコンプレックスを認め、向き合うと決めたかなえは、相手を振り向かせてやる(見返してやる)と負の気持ちをパワーにすることができた。
 自分が抱いていたコンプレックスを認められない千秋は、惨めな気持ちや傷つきの責任を相手に求め、人生を停滞させてしまった。
 千秋の事情に巻き込まれ、自分の行動に向き合う機会を奪われた香澄は、ひとり狂おしい感情に飲まれ「あの子にはあって私にはない」納得できる理由を幼い頭の中で考え続けている。


 客観的に見るとそれはただ、千秋の抱えた事情によって与えることができなかったということでしかないのだけれど、幼い子供にとってはそれは「あってはならない」「ありえないこと」だ。まだ親が完全で正しいと思っている子供時代の香澄にとっては。だから捻り出す。独自の理屈を。独自の思い込みを。


 「普通になれない自分が嫌だ」と嘆く中学生の七緒は、何か不都合なことが起こるたびに「普通でない私がいけない」という思い込みを強化してきた。
 母夕子の抱えた事情、障害を理解し受け止められる環境がないという外的な事情で、「普通にしてよ」と叱られる経験、仲間から弾かれる経験を積んだ七緒はひとり、それらの出来事をみんな「とにかく普通にできない私のせいだ」と納得させてきたのだ。「私」に原因があると引き受けた。
 思い込みのメガネを通して物事を見る限り、七緒の目に不都合が起きた本当の事情は映らない。

 七緒の「私」に原因があると引き受ける思考の癖は、母夕子のものでもあるだろう。夕子は千秋の行動も香澄の行動も「私が悪かった」七緒の障害も「私がもっと」と引き受ける。そうやって納得する方法を夕子は知らず七緒に教えている。

 「香澄がこんなことをしたのは(私がこんな思いをさせられたのは)夕子のせいよ」と叫ぶ千秋は「相手」に原因があるとなすりつける。
 おそらく香澄は「あの子にはあって私にはないのは(私がこんな思いをさせられるのは)あの子のせいだ」と思わずにはいられなくなるのではないかと思っている。
 弟のせいで愛されない。七緒のせいで嫌な目に遭う。と「相手」に原因をなすりつける。
 香澄が本当に不満を抱いているのは自分の事情に囚われて香澄を見ず、愛そうとせず、わかろうともしない千秋なのだが、自分を受け止める準備のない親に再び傷つけられる(「あなたが〜しないからでしょう」等、原因をなすりつけられる)のを恐れて、矛先を向けることができない。
 香澄は千秋のやり方を学んだ思い込みを形成するだろう。
 

 私はこうしたそれぞれの思い込みを持った人たちが絡み合う話を書きたい。そしてそれが解ける展開を描きたいのだ。


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