モテない男
休日の昼下がり、わたしはカフェでコーヒーを飲みながら読書を楽しんでいた。
するとガサガサした不愉快な声質の男性の話し声が聞こえてきた。
カップルに見えなくもない男女が敬語で会話している。おそらくマッチングアプリで初めて会うことになったのだろう。
この男の話す内容が、まあ不快。
職場の若い女性に優しく、あわよくば不倫関係を狙う既婚男性がいるという話
→デート相手の女性に不倫願望があるかという謎の問い
職場の30〜40代の独身女性は綺麗だったとしても残念という愚痴
→デート相手の女性にそうなりたいか?という謎の問い
→20代のうちに自分で手を打て、的なことなのか?
自分が職場で「大型ルーキー」と評価されているがそんなことないという謎の自慢と謙遜
→容姿的にも信憑性が薄いので多分見栄
友達が起業し、もしかしたら引き抜かれて転職するかもという匂わせ
→相当嬉しかったのか?
→敬語で会話するような仲なのにそんな話されても
可愛い女友達が多いという謎の自慢
→デートで女性にするべき話ではない
職場に可愛い女の先輩が多いという謎の自慢
→では職場恋愛をしたらよいのでは?
相手の女性もドン引きしているのか、どんどん声が小さくなっていく。
対照的に男の声は大きくなっていく。
何というか、デートでする話ではないと思う。
自分を大きく見せたいのだろうけれども、全部空回りしている。
モテてこなかった人の会話って感じ。
強いて言うならモテる友達が学生時代のグループにいて、その人の真似をしようとして事故ってる感じ。
そもそもモテてたらマッチングアプリなんてしないか。すまんな。
敬語で会話するほど近くない関係性なんだから、まずはお互いの好みを確認する作業が先だろう。
踏み込み過ぎ。
距離感がバグってるとはこのことか。
男女問わず、こういう人ってコンプレックスの塊なんだろうか。それとも変に自信があるタイプなんだろうか。
女性の方も、何が良くてマッチングしたのか本当に疑問。画像で騙されちゃったの?
友達からの紹介だとしたら、友達の神経を疑うレベル。
この二人の会話は長めの沈黙がしばしばあった。
男の声が大きく特徴的なので、度々起こる沈黙との緩急がキツい。
第三者から見ても、二度目のデートは無さそうだ。
女性の方は早く次に行きなさい。
こんなの相手にしなくていいから。