お勉強412:前立腺癌オリゴメタにSBRT
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.23.00985
前立腺がんのオリゴ転移に対する定位照射の試験
オリゴメタのCRPC患者にアビラテロン±SBRT
ARTO試験(II相) 前向きランダム化試験
※筆者らによると前向きランダム化試験は
こういった背景の類では初めてと言っている。
臓器転移でない部位(要はリンパ節や骨)に
3個以内のオリゴメタがある患者が対象
(コリンPET、PSMAーPETどちらかで9割ぐらい検査されている)
ランダム化で1:1にSBRT有り無し群に割付
ややSBRT群で個数が1個の人や
PETでステージングされている人が多いのは
差っ引いてみる必要はあるか。
SBRTは全病変に行う(α/β=3で100Gy以上)
プライマリーエンドポイントは生化学的奏功
※治療後6か月目に測定したPSA減少率50%以上と定義
セカンダリーエンドポイントは
・完全生化学的奏功:PSA<0.2ng/mlと定義
・無増悪生存期間
2019/1~2022/9に1507人登録
79.6%で生化学的奏功
(SBRT群vs.対照群でそれぞれ92%vs.68.3%)
OR:5.34 P=0.001
単変量解析では
・ベースラインのPSAとSBRTの有無が因子
・転移の個数や、PETなどは因子にならず
多変量解析では
・SBRTの有無のみが因子
完全生化学的奏功は38.8%で見られた
(SBRT群vs.対象群でそれぞれ56%vs.23.2%)
OR:4.22 P<0.001
単変量解析では
・SBRTの有無
・PETでのステージング
・ベースラインのPSA
が予後因子
多変量解析では
・SBRTの有無
が予後因子
PFSも改善(medianで未達vs.17か月)
HR:0.35 P<0.001
※この対象群のPFSはアビラテロン単独のデータとして
ほかの試験と比べて妥当とのこと
OSは差つかず(HR0.65 95%CI 0.28-1.49)
有害事象も二群で大きく変わらず。
ということでアビラテロンにSBRTを加えると
いいんじゃないかい、という結果。
前立腺がんのオリゴメタにSBRT、は
かなり期待できそう。
いろいろな試験がon goingと。