nijuoti

中堅放射線腫瘍医。癌関連の記事を書き綴る予定。

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最近の記事

ESMO注目演題② ウロ編

去年のは 今年は去年ほどではないが… https://x.com/ReneeSaliby/status/1834969279441117591 https://x.com/ReneeSaliby/status/1834969973862572459 Ra223オタクの私はかなり結果を注視していた試験。 いわゆるRa223黒歴史ERA223 から6年、ERA223の反省として骨保護薬を入れることで 放射線学的進行、そして全生存も改善!! 終わった薬扱いされていたRa

    • ESMO24 注目演題 part1

      いつものごとく X と 日経メディカル さんで Xはツリーになっているもの多いですのでリンク飛ぶのを推奨 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202409/585753.html https://x.com/OncBrothers/status/1834676418061406259 ネガティブ試験。TiNivo-2試験 腎淡明細胞がんで ICIで進行した後にTKIを使うときに b

      • お勉強485:真打登場!LD-SCLCの予後を変えるADRIATIC試験!

        https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2404873 https://x.com/OncBrothers/status/1834676438148026424 ADRIATIC試験 ESMOにあわせてNEJMで発表 詳細は も参考にしてください 上のところでも書きましたが、 LD-SCLCに対しては 1999年にTurrisiが出した 一日二回vs.一日一回 の試験でポジティブな結果が出て以来 https://ww

        • お勉強484:III相試験でLD-SCLCの線量増加有用との報告!

          https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39146944/ 昨年のASTROで発表されたネタ LD-SCLCに対して ランダム化III相でRTのやり方を変えて ポジティブな試験となった、非常に革命的な試験。 3週間の治療スケジュールで 1.5Gy/Fr一日二回の45Gyと 1.8Gy/Fr一日二回の54Gyを比較 (一応線量増加試験を行って、この線量になったよう) ランダム化の割付因子としては PS 0/1 ステージ I‐II/III 治療前ケ

        ESMO注目演題② ウロ編

          WCLC2024ネタ ②

          WCLC2024ネタ 続き https://x.com/bmassutis/status/1833259949377683677 ケモラジに ・まずアテゾケモ ・終了後アテゾ の試験。良い成績。切除境界にまずケモ-IOという戦略も 出てくるかもしれない。 ケモラジを中心としたIII期治療試験のまとめ https://note.com/nijuoti/n/n3633a062f0f3 この薬の続報 タルラタマブ+PD-L1を プラチナ+PD-L1の維持療法として使う。

          WCLC2024ネタ ②

          WCLC2024ネタ ①

          WCLCネタ 日経メディカルさん+Xで https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202409/585646.html ペンブロリズマブとガチンコ試験 中国の薬Ivonescimab いわゆる二重特異性抗体 PD-1とVEGFをターゲットとしている こんな抗体 PD-L1発現1-49%も含んでいるのに ICI単剤なのか… というのは除いても ペンブロとガチンコで余裕の勝利。 サブ解析でも

          WCLC2024ネタ ①

          お勉強483:ごく低線量で脳転移は予防できるのかも。

          https://www.ctro.science/article/S2405-6308(24)00088-0/fulltext 近年ではいわゆるワンアイソセンターで まとめて定位、というのができるようになり たぶん今後もどんどん進出してくると思われる。 そこで、繰り返しHyperArcした患者さんを解析してみました論文。 少なくとも2回HyperArcした 56人の患者の702個の脳転移に197コースのHyperArc治療を実施した データ(少々やりすぎでは…) 分割照射

          お勉強483:ごく低線量で脳転移は予防できるのかも。

          お勉強482:膵癌にはオリゴメタがある?

          https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.24.00081 バスケット試験EXTEND試験 (他施設II相でオリゴメタへの局所治療  MDT:metastasis directed therapy の有効性を見る試験) 膵癌パートの報告 ※膵がんに対するオリゴメタの報告は初めてと。 の論文化 前立腺もEXTENDで報告有 病状進行は ・RECISTでの画像上進行  (盲検された状態での中央判定があったよう) ・臨床イベント(全身治

          お勉強482:膵癌にはオリゴメタがある?

          お勉強481:CRTにコンカレントせず、サンドイッチICI

          https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2821598 PACIFIC2は失敗に終わったわけだが https://note.com/nijuoti/n/nc9062d56473b また違った試みで ・CRT前からアテゾリズマブ:3週回し4回 →進行なければCRT(IFRT 60Gy/30Fr)  ※カルパクweekly併用・IMRTも3Dもあると (ここではアテゾリズマブは使わない) →カル

          お勉強481:CRTにコンカレントせず、サンドイッチICI

          お勉強480:続・心臓のどこが「大事」なのか?

          https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666087324002266 個人的には重要論文 NSCLCに対して放射線治療を受けると 心臓に影響が出るというのは 近年のトピックだが、この論文は 心臓の部分と不整脈の関係を調べたもの 不整脈は ・AF ・Af ・SVRT ・徐脈 ・VT/心停止(VF含む) 等と分けている。 局所進行手術不能患者748人を対象に RT後に発生する不整脈を分類、 (SBRTは含まず

          お勉強480:続・心臓のどこが「大事」なのか?

          お勉強479:nabPTX+S-1 膵癌に新レジメン?

          nabPTXとS-1 (AS) レジメンを 標準治療である nabPTXとGEM(AG)と比較した試験。 多施設共同、無作為化、II相試験 中国から。 方法 対象は 切除不能な局所進行または転移性膵臓癌患者 ASは(nab-paclitaxel 125 mg/m2 day1/8+ S-1 day1-14 ※BSAに合わせた標準量)、 AGは(nab-paclitaxel 125 mg/m2 + gemcitabine 1000 mg/m2 day1/8) ※高齢者が多かっ

          お勉強479:nabPTX+S-1 膵癌に新レジメン?

          お勉強478:アミバンタマブとラゼルチニブ、FDA承認!

          FDAでアミバンタマブとラゼルチニブが承認されました。 というわけで遅いですが、 MARIPOSA試験 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2403614 オシメルチニブと、ラゼルチニブ±アミバンタマブ のガチンコ対決。 こちらも参照に EGFRの耐性に関わるMETをターゲットにしているのが 売りのよう。 EGFR変異といっても対象はdel19またはL858Rのみ 第3相ランダム化試験。 アミバンタマブ+ラゼルチ

          お勉強478:アミバンタマブとラゼルチニブ、FDA承認!

          お勉強477:食道温存の最適ストラテジーとは?

          https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(24)00752-1/abstract の論文化 切除可能な食道扁平上皮癌に対して 臓器温存療法として、今あるエビデンスとしては JCOG0909がある。 https://jcog.jp/document/s_0909.pdf https://note.com/nijuoti/n/necc5fb29ecea が、サルベージは避けたいし、 導入化学療法でセレクション (IA期に

          お勉強477:食道温存の最適ストラテジーとは?

          お勉強476:N2aとN2bと別れたけれど…

          https://www.jtocrr.org/article/S2666-3643(24)00064-X/fulltext 肺癌のステージングは第九版になって N2a/N2bに分かれることになった。 N2aは単発リンパ節転移、ということで、 手術適応を探ろう、というようなニュアンスがあったとは聞く そこで、cStagingの精度について検討した論文。 UKからの報告。cN2aと診断されて、 (CT/PET/EBUSでやっている) 115例の手術例を解析 (一つの病院のコホ

          お勉強476:N2aとN2bと別れたけれど…

          お勉強475:直腸がんTNTにICIの上乗せは?

          https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.23.02261 直腸がん術前治療でMSI-Hはドスタルマブのみ、という風潮であるが、 pMMR /MSSの患者で従来のTNTにICIの 上乗せがあるのか?というiTNTについての ランダム化II相試験(pick the winner試験) IOはtoripalimab 従来のTNTに加えてICIの上乗せがあるのかどうかを確かめる というのがエンドポイント。 従来のTNTのCR率が25%

          お勉強475:直腸がんTNTにICIの上乗せは?

          お勉強474:LD-SCLC PCIは必要か?

          LD-SCLCのPCIに関しては推奨度A  Level 1のエビデンス、となっているが 日本のED-SCLCでのPCIの論文が出てから 非常に喧々諤々されている。 当noteでもたびたび取り上げているが、 https://note.com/nijuoti/n/n1a8c2e43051e https://note.com/nijuoti/n/naa375e90dba5 エビデンスの根拠となっているデータの時期は主に ・CT(ひどい場合は単純CT) ・PCI前に脳転移の評

          お勉強474:LD-SCLC PCIは必要か?