お勉強108:SCLCのRTガイドライン
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.20.03364
ASCO/ASTROの SCLCに対する放射線治療ガイドライン
LD-SCLCに対する胸部RT
1.1. 治療に耐えうるLD-SCLC患者には、胸部RTが推奨
1.2. 化学療法とRTを受けているLD-SCLC患者は、
化学療法の第1サイクルまたは第2サイクルから
胸部RTを開始すべき
1.3. 手術加療を行いR1またはR2切除ならば
術後RTを条件付きで推奨
1.4. 臨床的にリンパ節陰性で病理学的にN2陽性の
LD-SCLC患者には、
術後RTが条件付きで推奨される
1.5. LD-SCLC患者には、1日2回、1.5Gy/Fr 45GyのRTを推奨
1.6. LD-SCLC患者に対しては、1日2回のRTの代替手段
として、2Gy/Frで60~70Gyまでの1日1回のRTを
条件付きで推奨
(試験デザインは非劣勢試験ではないが
CONVERT試験では66Gy/33Frでほぼ同等の成績)
1.7. LD-SCLC患者には、標準治療としてIFRTを推奨
1.8. LD-SCLC患者の化学療法で縮小を経験した
腫瘍に対しては、「化学療法前のN領域」
「化学療法後のT」を治療することを推奨
1.9. LD-SCLC患者に対しては、正常組織線量を最小化するため
にコンフォーマルな治療が推奨される
小細胞肺がんのSBRT
2.1. I期またはII期のリンパ節転移陰性で医学的に手術不能な
LD-SCLC患者には、SBRTまたは従来の分画が推奨される
理想的には、Nは組織学的に検索することを奨める。
(最低FDG-PET/EBUS-FNA可能ならば縦隔鏡)
いわゆるultracentralの腫瘍に対しては
(PTVが近位気管支、食道、気管に近接・重複)
通常分割、もしくは軽度のhypofractionを奨める
2.2. I期またはII期の結節陰性LS-SCLC患者がSBRTを受けた場合
化学療法は医学的に許容できる場合実施すべき
PCIについて
3.1. 初期治療に反応したSCLC患者に対しては、
脳MRIの再検査が推奨される
3.2. I期SCLC患者には、条件付きでPCIは推奨されない
※PCIの代わりに、造影剤を用いた脳MRIで密にフォロー
3.3. II-III期のLD-SCLC患者で、70歳未満でPS良好で、
胸部化学放射線療法に反応した患者には、PCIを推奨
3.4.PSの低いLD-SCLC患者、高齢者、
または重大な併存疾患を有する患者には、
PCIは患者と疾患固有の特性を考慮して照射を相談
3.5. LD-SCLC患者がPCIを受ける場合には、25Gy/10Frを推奨
3.6. 化学療法に反応するED-SCLC患者に対しては、
PCIもしくはMRIサーベイランスを相談
(日本の医療事情ならば後者ができるので、
ガイドライン的にはDだが、世界的にはできない国も
おおいので、PCIを行う方向も消えない)
3.7. PCIを選択したED-SCLC患者には、25Gy/10Frまたは
20Gy/5Frが推奨される
ED-SCLCに対する胸部照射
4.1. 化学療法のみで奏効したが、胸部に腫瘍が残存している
ED-SCLC患者には、胸部RTを推奨される
4.2. 化学療法のみで奏効したES-SCLC患者には、
30Gy/10Frの胸部RTが条件付きで推奨
☆一応3つランダム化比較試験がありどれも
優位性を示唆しているが、歴史が古いものもあり、
線量に関しては判断が難しいらしい。
一番優位性を示している試験は一番古いが
高線量を入れており、このガイドラインでは
生存期間の延長が期待される場合より高い線量が適切
としている。
免疫療法を交えた近年のIMpowerやCaspianの時代になり
RTの価値は⁇だが、免疫増強作用などを考えて
推奨に入れているらしい。
4.3. 胸部RTを受ける場合、化学療法単独の終了後に
治療を行うべき
4.4. 化学療法と免疫療法に奏効し、
胸郭に残存病変を有するED-SCLC患者に対し、
6~8週間以内に30Gy/10Frの胸部RTを行うこと
(ケモ+免疫後で、免疫維持前)