ASCOGU25＋α　Ra223ネタ

2025年2月14日 17:40

Ra223特集

今月のRed journalから。
ホルモン感受性前立腺がんで、骨転移のみの
患者さんにRa223とMDT（30Gy/5Fr）の併用で
ADT開始までどのくらい引っ張れるか。

20人での検討
Ra223の6コース完遂率は今までの報告とほぼ同じ
2例で2年後でもPSA<0.01
PSAが50/90%低下が55/25%
ADT開始までの期間の中央値は15か月ぐらい。
QOLは安定　10%にG3のSRE
副作用としては疲労が多い

PETを撮っている症例が少ないのと、
骨転移が1個しか見つかってないのが多いのに成績は
そこまで芳しくないのがちょっと気になるが、
このコンセプトは個人的には気になる。
ただ、CRPCではないので、日本では保険適応外

とにかくリアルワールドデータを集めまくったスゴイ発表。
1085件の引用文献
mCRPC男性15,368人
48件の研究

年齢中央値は68～76歳がほとんどと。
20個以上の転移を有するコホートが25％以上

23の研究でRa-223コホートの50％以上が化学療法を受けていた
22の研究で50％が前ARPIを受けていた。

Ra-223の5サイクル以上の投与完了率は6割以上の報告多い
Ra-223の5サイクル以上の完遂に関連する主要な因子は

早期ライン
化学療法または免疫療法の前治療なし
ヘモグロビンおよび好中球が標準下限値以内

MSTは11〜24ヵ月とかなりの幅

5サイクル以上の完了はOS中央値の2〜5倍上昇と関連
PFSは4.3～7.3ヵ月

痛みの転帰を報告した研究では、
程度の差こそあれ痛みの軽減が認められた

グレード3+の骨髄抑制を報告した13の試験のうち、
発生率は1～22%と幅があった。

骨折を報告した14の研究のうち、
発生率はほとんどの研究（N=12）で10％未満

骨修飾薬の使用により発生率が低くなる傾向

ふむふむ、そうだよね、という感じ。
ALSYMPCAから時代は経たが、結局「Ra223からの生存」は
ARPI時代になっても6サイクル完遂が重要

オランダからの報告
どうもオランダではRa223　１コース目以上の使用がOKのよう
再治療の報告

61人の患者、年齢中央値は75歳
44％が化学療法歴
87％が少なくとも1種類のARPI前治療歴あり
51％が骨治療薬の併用歴

患者の81％がECOG performance status≧1

患者の95％が少なくとも1つの血液学的AEを認め、
そのうち14％がG3の血液学的AEと一回目より多い印象。
G4-5のAEは発生せず。
11例（18%）の患者がRa223再治療中にSREを発症
うち2例（3%）が脊髄圧迫

最初のSREまでの期間は9.5ヵ月（95％CI:6.2-12.8）
患者は中央値で6回のRa223再注射を受けた（IQR; 4-6）。
再Ra223治療開始からの全生存期間は16.9ヵ月（95％CI、11.9-21.9）
56％が30％以上のALP反応を、
25％が30％以上のPSA反応

再治療前の
・ヘモグロビン値が高値
・化学療法歴がない
・初回Ra223療法中のPSA反応≧30％

が6回完遂の予測因子

ラジウム223再治療は忍容性が良好
患者をチョイスすれば有益かも。

いわゆる、生化学的再発時多くでは
CT/骨シンチでは転移が見つからない。

先ほどの論文と似ているが、
Ra223をADTを行わないBCRにおける単剤療法としての有用性
を確かめた試験。

参加患者はテストステロンが充分にあり、
NaFまたはPSMA PETで骨シンチで認められない
転移性骨病変を疑う所見がある患者。

Ra223を6サイクル投与する。
PSA低下は、試験中の頂点PSAから2回以上確認された低下と定義

全例治療前後のPSMAおよびNaF画像検査を実施

18例が登録、16例が奏効を評価可能、

年齢中央値は67歳（58～80歳）、
PSA値は1.75ng/ml（0.2～49.5）
14/16例がPSMA+
13/16例がNaF+

G3以上の毒性はなし
PSA-DTが急速であった2例は、
進行のため中止、追跡画像評価不能。

5例(31%)で定義上のPSA低下が確認れ。

評価可能な8/11例は、
治療後にNaF PET画像でSUVの減少。
2例は多発性PSMA+骨所見が消失
1例は2年以上経過してもPETで骨所見が陰性、PSAも安定

Ra223の効果はPETでも評価できたというか
Ra223はちゃんとPETでも変化が出るぐらい効く、という話

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