お勉強454:膵癌でも高線量なら目がある?
膵癌手術後のオリゴ局所再発に対するSBRT
膵癌術後の孤立性局所再発は25%ぐらいらしい
メモリアルスローンケタリングからの報告。
2016年から2021年の間に、膵癌の孤立性局所再発に対して
RTを受けた患者のレトロスペクティブ解析。
治療は、
肉眼的病変への線量(BED10 98-100Gy)
※67.5/15fr・75 Gy/25fr・60Gy/10fr・50Gy/5fr 等でやっているよう
(ほとんど前2つのレジメン)
予防的低線量(BED10 < 50Gy)の2段階
予防照射はGTVの周囲1.5cmマージンと浸潤血管の周囲(神経叢)。
照射は呼吸同期
CBCTでアダプティブプランを行っているよう
局所および局所領域再発率(LF/LRF)、
無遠隔転移生存期間および全生存期間(それぞれDMFSおよびOS)、
CTCAE v5.0にでの毒性についての報告。
再発部位は線量分布と比較したとのこと
患者は65人(うち2人は2回RTをうけた)
年齢中央値は67歳(範囲37-87)
原発局所が48人、局所領域が17人
36人(55%)が男性
53人(82%)が膵頭十二指腸切除術
手術時のTは(おそらくUICCなので最大径4cm以下)
88%がpT1/2 65%がpN+
いわゆる海外のR0(断端から1㎜マージンフリー)が52%
1㎜ないけど、R1でもないのが22% R1は26%
局所再発までの無病期間の中央値は16ヵ月(範囲6-71ヵ月)
27人(42%)がRTの前に化学療法を受けていた。
再発診断から21ヵ月の追跡期間中央値で、
「再発からの」24ヵ月のOSとDMFSは
57%(95%CI、46-72%)と22%(95%CI、14-37%)
MSTは27ヵ月(RTからは22ヵ月)
※大体3年ぐらいでプラトーになる
再発診断後24ヵ月の高線量内LFと全LRFの累積発生率は
28%(95%CI、17-40%)と36%(95%CI、24-48%)
RT後の失敗形式は、
遠隔転移35例(53.8%)、
局所領域転移12例(18.5%)、
遠隔転移と局所領域転移の同時再発10例(15.4%)
ほとんどの局所領域再発は予防的低用量域
(15/22:低線量域だけは7/22)で発生。
RT関連のG3-4の急性期/晩期毒性はそれぞれ1例(1.5%)および5例(7.5%)
晩期毒性は消化管有害事象のみ。
予防照射領域での再発が最も多かったので、より広範囲に
BED>100相当のRTがいるのでは?という結論。
なかなか消化管なども考慮すると難しいとは思うが、
高線量照射は膵癌を一定数制御できる知見は素晴らしい。
消化管の耐用線量的には
SBRTよりも中寡分割のほうが、膵臓ではいいのかもしれません
再発してからのOSが長いのと、
局所再発が孤立で出る人は遠隔転移が出にくいのか
遠隔転移なし生存もよいように感じる
CBCTでのアダプティブではなくMRIガイド下
のアダプティブだとどうなるのかは気になる。
https://note.com/nijuoti/n/n02cb311b30e7
EXTENDのサブ解析でもそうでしたが、
膵癌自体はRTをしっかりあてられれば
制御は一定数可能な可能性を個人的には感じてしまいました。
※小ネタ
膵癌の新規マーカーとしてAPOA-2アイソフォームの測定が
有効のようです
https://www.ncc.go.jp/jp////information/researchtopics/2024/0412/20240412.pdf
個人的にはこれにも期待
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