お勉強490:サルベージ放射線治療、日本での成績

https://link.springer.com/article/10.1007/s10147-024-02571-7


京大からいわゆるRP後のサルベージ照射の成績
(ちなみにこの論文によると
 RP後全体で40%が生化学的再発するらしい)

対象は期間は2005‐2019年にRPを受けた
その後生化学的再発して、(PSA>0.2)
CT/骨シンチで転移がなく
サルベージ照射を受けた患者。

※そもそもPSAのナディアが0.2以上の人は
 照射を受けていても除外
※ADT併用も除外(エビデンス的には入れることが多い)
※骨盤照射症例も除外

この辺のエビデンスは

参照

主要評価項目はサルベージ後のの
生化学的無再発生存率(bRFS)
(PSA下がったが0.2を超える、
 そもそも下がらない)

対象は67名
S-RT開始時の年齢中央値は67歳
サルベージまでの期間中央値は25ヵ月
断端陰性・陽性はほぼ1:1
サルベージ開始時のPSAは中央値
GS8以上が28.4%

NCCNのリスク(手術前判定)

中リスク 53.7%
高リスク 35.8%

pT3a以上は44.8%

手術は
開放手術41.8%
腹腔鏡手術16.4%
ロボット41.8%
(この治療法の以降で、どう変わったか?
 というのもこの論文の主題テーマと)

照射時のPSA中央値は0.41
PSA-DT中央値は6.8ヶ月

3次元原体照射で総線量の中央値は66 Gy
基本前立腺床のみ
巨視的再発があればそこは70GyまでBoostしたらしい

追跡期間中央値7.3年で
5年bRFS率は47.1% 
生化学的再発までの中央期間は4.8年

多変量解析では
・PSADT < 6ヶ月(PSA>0.1から生化学的再発までの期間で計算)
 HR:3.544
・外科的切除断端陽性
 HR:2.463
が予後不良因子
単変量解析ではGS8以上も予後不良因子

関連有害事象
G3以上はの膀胱炎が1例のみ

ディスカッションだとADT入れないで
CT/骨シンチ時代は成績はこんなもんらしい

PSMA時代はどうなのか?
というデータについては後輩から

これ読んでください(レトロ)
とのことなので、またお勉強できたらします。
(結論だけ言うと、やっぱりPSMA使った方が良さそう)

以前の検討だと
断端「陰性」が予後不良因子だったのに今回は
断端「陽性」が予後不良因子、と全く逆の結果になっている
PSAがいったん下がった症例のみ入れていることなどが
関係している可能性があると

(inclusion/exclusionのcriteriaが違うのが原因では?と)

また、一般的にはロボット手術が一番断端陽性は少ない
(らしい)ので、断端陽性はかなり悪い群がセレクション
されているのでは?とも述べている

PSA-DTに関してはPSAがそもそも低い時の
計算結果なので、注意して扱うべき
(PSA-DTが極端に短ければ別だが、
 それだけで、サルベージ適応外は危険と)

サルベージも奥深き領域…


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