お勉強486:EGFR変異肺癌日本のリアルワールドデータ

https://www.esmorwd.org/article/S2949-8201(24)00036-5/fulltext

日本からのデータ。

いわゆる
・オシメルチニブfirst
・1~2世代のEGFR-TKIをまず使って、
 進行してT790Mがでた症例はオシメルチニブ

という二つの戦略リアルワールドの成績の比較
(ちなみに1~2世代を使ってT790M変異が出て、
 オシメルチニブに行けるのは30~50%と)

日本の単一センター(がんセンター?)
で2015年から2021年に治療を受けた人が対象
EGFR変異はL858Rと19delのメジャー変異のみ

485人のEGFR変異非小細胞肺癌患者のデータを後ろ向きに評価

①オシメルチニブを初回治療として受けた群、213人
・第1/2世代のEGFR-TKIを初回治療として受けた後272人中
②オシメルチニブに移行した群(全員T790M確認) 98人
(第一/二世代を使っていた人の 36%)
③オシメルチニブを使用しなかった(できなかった)群 174人

の3群に分けて解析
プライマリーエンドポイントはOS
OSを比べる際はプロペンシティーマッチングしている

初回治療として
・オシメルチニブを1stで使用した群、
・第1/2世代のEGFR-TKIを1stで使用した群の間で
全生存期間(OS)に有意差はなし。
PFSは当たり前だがOsi first>1st/2nd TKI

ただし、
第1/2世代のEGFR-TKI使用後にT790M変異を有する患者に
オシメルチニブを使用した場合、
OSが良い(1st オシメよりも数字的に良い)

データとしては日本のFRAURAサブグループ解析と
同じような結果。(1st Osi vs 1st/2nd generation TKI)

進行場所として肺・肝転移が
オシメ firstでない人は多めだったよう

オシメを使わないと髄膜播種やCNS転移が多くなる。

要は初回治療としてオシメルチニブを使用する場合と
第1/2世代のEGFR-TKIを使用し、進行した場合
T790M変異が確認され、オシメルチニブを使用する場合を
比べると後者の方がOSは良かった

(とはいえ事前にT790M変異が起こるかは予知できない…)
使えないと、予後は1st オシメより悪い。
最近の研究ではT790M変異が起こった群は
そもそも「予後良好群」なのではという考察もあり

なかなか難しいところですが、T790変異が起こると
予測できるようになれば1st/2ndのTKIを最初に使うのも
ありな時代も来るのかもしれません…

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