お勉強66:肝臓がんSBRTレビュー
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jgh.15175?af=R
肝臓がんSBRTのレビュー
非常に良くまとまっています。
日本のガイドラインには実はSBRTの事は
あまり載っていないのですが、
この論文によると他国のガイドラインには結構
載っているようです。
日本からは大船中央病院のデータも多数引用されています
個人的なまとめ(自己の経験も含め)
・相反するデータはあるが、大勢はSBRT≧RFAの印象
特に大きさが2~3㎝を超えるとSBRTの良さが際立つ
日本は粒子線もいっぱいあるので
一般的な3㎝程度を超えるHCCもちょっと遠出すれば
SBRTの効果のままの粒子線治療というオプションが使用可能
JCOGの試験も気になるところです
・TACEにSBRTを加える価値はありそう(効かない部分は特に)
・門脈腫瘍栓・下大静脈/心房腫瘍栓には実は主戦力かも
・移植へのブリッジングとしては部位をあまり選ばない点で
RFAへの優位性があるか。
・一方消化管が近いと結構不利 個人的経験でも
肝切除後で予想外に大腸などがはまり込んでいるとつらい
・SBRTを含めた多数の比較の臨床試験が走っているようです
・追尾照射ができるとドーム下を人工胸水入れて
無理にRFA行くのは結構成功率悪いので
サクッと割り切ってSBRTが意外といい
(ドーム化だと通常肝にもあまり線量が入らないのもSBRTの利点)
・血管や胆管などの解剖学的要素はHCCの線量なら
大概問題ない。RFAや手術に比べてこの利点は結構大きい
・肝臓の腹腔内のはじっこ側病変は消化管が近いので弱点だが
実は腹腔鏡下部分切除で結構簡単にとれるらしく
外科にお任せ
(系統的肝切除にこだわるなら話は別だが)
・結局最後は肝機能。肝機能をあまり落とさない
という点ではRFAは良い。
(最近はもっといいアブレーションが出てると小耳に挟んだ)
・移植の力はすごいが、一般臨床からは日本ではまだまだ肝癌には遠い印象。
(抗ウイルス療法が発展したから、価値は上がった?)
・放射線をうまく使って腫瘍栓コンバージョンは
今後熱い可能性(コンベより効くはず)