お勉強274:リキッドバイオプシーで治療方針を決める時代@ASCO22
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2200075
https://www.medscape.com/viewarticle/975058
https://report.gi-cancer.net/beirinsyo2022/LBA100/index.html
にわかりやすい日本語解説
DYNAMIC study
リキッドバイオプシーとか
ctDNAはいろんなところで研究が行われている
今回はいわゆる大腸がんで一番議論がHOTな分野の1つである
’high risk StageII’の術後補助療法について
いわゆる今までの臨床的な判断での化学療法投与と
ctDNAをあてにした化学療法投与とを比べた研究。
結論としては
・ctDNAを使った判断と今までの臨床的な判断の
化学療法とで治療成績に差はなかったが、
ケモを受ける患者さんの割合はctDNAを使った
判断の方が低く、無駄なケモを受ける人が減った
という事のよう。
残念な点としては治療成績がうわまらなかった点。
化学療法をしてもctDNAで陽性だった群は、
陰性だった群より成績が悪い。化学療法の限界。
(でも、下の日本の発表でもあるがctDNA陽性だと
かなりの高確率で再発するので、意義はもちろんある。)
今後の課題として Medscapeの記事では
・ctDNA陽性の患者により強力な補助療法
(免疫療法を加える、抗体両方の上乗せetc.
・ctDNAと臨床的な因子を加えたより正確な判断法の開発
を挙げている。
個人的には今全例行っているStageIIIの
患者さんの方針決定にも期待している。
で、当然放射線治療もこの波に乗るべきである。
https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(20)31132-9/fulltext
放射線治療への応用に関してはRedJの
このレビューに詳しいが、
線量増加や、低減、治療方針の変更など書かれている。
そのうえで、今回のASCOでは
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/207572
この発表があり、ステージI-ⅢのNSCLCで
放射線治療を行った患者さんでctDNAで
再発を画像より早く予想できる、と報告している。
先日のGI-ASCOでは
https://note.com/nijuoti/n/n0410a3a2db90
という日本からの発表もあり、ctDNAを使った
治療方針選択、というのは今後時代を変えていくのは
間違いないでしょう。
上の記事にも書きましたが、
温存治療の方針や効果判定だけでなく、
SBRTやCRTは時に再発が画像的に判断するのが難しいので
このようなctDNAを使って再発を早期に判定出来たり、
オリゴメタの治療評価、新規出現予測
などにも使えて、Radiationとの相性も結構よいと思うのです。