お勉強116:HPV関連の中咽頭がんの`de-escalation`
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.20.03128
NRG Oncology HN002
HPV関連の中咽頭がんの`de-escalation`の試験
対象はAJCC7thで T1-2 N1-N2b M0 もしくは T3 N0-N2b M0
喫煙歴は ≤ 10 pack-year
線量は2群ともIMRTで 60 Gy/30Fr
IMRT+Cは 週五回の照射+シスプラチン 40 mg/m2 をweekly
IMRT onlyは 「週六回」の照射を単独で(つまり5週間で終了)
GTVの周り、GTVを含むリンパ節レベル、その隣接領域は 54 Gy.
それ以外は48 Gy の予防照射
フォローは 2年まではおよそ3 か月おき、3年目は半年置き
以降は1年に一回
MDADI で嚥下機能を評価
https://eatspeakthink.com/wp-content/uploads/2018/08/MDADI.pdf
一応、2年PFSが85%以上、一年のMDADIで60以上ならば、
非劣勢として有望と結論。
患者は扁桃・舌根部がほとんど
62.4% が T2-T3
75.5% が N2 disease
ほとんど両側頸部照射
2年 PFS は 90.7% : IMRT + C 、 87.7% : IMRT only 2群で
優位差はないが、事前設定の非劣勢マージンを統計的に達成していたのはIMRT+Cのみ
2年LRFはIMRT+C>IMRT only
遠隔転移率は差なし。OSにも差はなし
IMRT+Cは遠隔転移が最多で、
IMRT onlyは局所再発が最多:再発の2/3が局所
(かなりIMRT+Cと差がある)
終了時のMDADIは通常の今までの照射だと
中央値76、 64.5~86.4 の幅ぐらいであったが、
今回のIMRT+C/IMRT onlyでは 85.3/81.76
であった(治療前は90ぐらいなので、かなりいいと思われる)
急性期有害事象はIMRT+C>IMRT only
六か月後のfeeding tube依存率は IMRT+C 2.8%/IMRT only 3.8%
(海外のデータとしては、かなりいい方と思う)
この結果をもとに
NRG HN005という
・IMRT 70 Gy+CDDP
・IMRT 60 Gy+CDDP
・IMRT 60 Gy+nivolumab
のII/III相試験が行われるようです
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.21.00017
のeditorialも一読を。
とりあえず、AJCC8thにタバコのことが入っていないので
AJCC8thに基づいて分類するのではなく、
RTOG0129のリスク分類の方を推奨しています。
このHPV関連の中咽頭がんの`de-escalation`
の流れの試験がめっちゃあるのが読むとわかります。
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