お勉強82:イミフィンジリアルワールドデータ

https://www.practicalradonc.org/article/S1879-8500(20)30223-X/fulltext?fbclid=IwAR3UW7o3sl9PL5q_WUyeD43embNaqjjZhyqV4VXUCb2_-7tR7BAmq-ZfAKw

イミフィンジ、リアルワールドデータ。
2013-2019のデータで、イミフィンジは2017/9から
(使用できる人には)使用したとの事。
筆者らも言っているが、この類の論文で結構大きな
ものは、初めて見た。

照射はIFRT、ほとんどIMRT。
話を複雑にしているのは前半期に臨床試験を
やっていたせいで、線量分割が偏りがあること
イミフィンジを使っていない人の群で
臨床試験の短期照射20-25Frで48-65Gyという微妙な
線量分割が行われている人が多い

結果としてはフォローアップ期間は短いが、
ESMOで発表されたデータなどを参考にすると
OS/PFSに関してはほぼ、PACIFICのデータを再現。
(むしろHRはいいぐらい)

照射後のNLRが予後と相関した、というのが
本論文の主旨。一番のポイントは
NLRが悪い方向だと、イミフィンジの上乗せ
がなく、NLRが良い方向だとイミフィンジの上乗せがある。

心臓や食道の線量とNLRは関係があったらしいが
純粋に椎体に入る線量と関係がある、ということなのでは?
と個人的には解釈。

面白い点/個人的着目点としては
・PACIFIC試験の適応から外れる人の方が予後がいい傾向
・予後と関係するのは心線量とイミフィンジ使用
・腫瘍体積はあまり予後に相関しない
※だから、アジュバントイミフィンジ時代、
 手術はいらんのちゃう?という意見も言っている。
・短期照射群は単変量ではイマイチ。

この論文で個人的に大事・議論点と思う点は、
イミフィンジの上乗せを得るためには
免疫状態がやっぱ重要?そう考えるとやはりIFRTがいい?

NLRが免疫状態の指標かは議論があるが、
ICIの効きがNLRと関連ある報告はたくさんあるようで…

照射野を大きくしないとか、椎体をリスク臓器として
考えるべきなのかとかいろいろ考えるべきことはありそう
そう考えたときに指摘線量は??

個人的には縦隔リンパ節はRTで十分制御いいので
縦隔リンパ節転移は線量をダウンしてリンパ機能を
残しつつ、原発は定位とかでガツンとというのが
いいストラテジーなのかと夢想。

IMRTについては実体験を考えると、
ちゃんと線量を入れられて、かつSIBチックに
できるので、一度やり始めると、やらないのはもったいない気になる

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