お勉強127:膀胱温存療法あれこれ
http://radonc.radiationnation.com/march-madness-the-bc2001-bcon-bladder-preservation-bonanza/
このサイトで特集されていたので
https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(20)30607-0/fulltext
を読む。
テーマは膀胱温存療法。
ツイッターの検索で#radonc #JC
でかなり色々な海外の先生の意見が見れるのでお勧めです。
論文的にはUKの膀胱温存療法の二つの試験を
メタ解析して 2.75*20と2*32を
比較してみました、という趣旨。
観察期間が10年以上、という非常に意味あるデータです。
結論としては2.75*20の方がどちらかというといいのでは?
という結論(浸潤癌の発生は優位な感じも、OSも傾向はある)
晩期有害事象も良さそう
(もともとはhypoの非劣勢を見るデザインだったようですが)
hypoの方が良かったのはOTTが短くなるのを
考えてもα/β=10だとBEDはむしろhypoの方が
低いようで、
https://twitter.com/robert_huddart/status/1373318580935274498
このツイートでも語られている通り、尿路上皮癌の
α/βがかなり低い(3以下?)と思われるという事です。
手術と違いインダクションケモの効果は?とのこと
積極的にhypoの方向でよさそうです
いろいろこの論文をきっかけに調べてみると
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28081860/
時代とともにかなり成績は改善しており
十分膀胱全摘に匹敵する成績みたいです。
サルベージもありますが、放射線が当たっているから
すごく合併症が多い、というわけではないようです。
覚えておくと良い/面白い点としては
・水腎症症例はやめておく
・膀胱機能がそもそも悪い人もあんまりいい適応じゃない
・TUR-Btで取り切れないとかCIS症例は予後悪め
(ただ、UKの論文ではTUR-Btは関係ないかも、と言っている)
・UKでMMC加えたCRTとか低酸素増感剤のエビデンスがあるよう
低酸素が関係している?
他にはGEMやプラチナベースも
・照射野は排尿後の膀胱、というのがスタンダード気味
(単純にそれでLNも入っているという説もあり)
今後の方向性としては
・バイオマーカー
・免疫療法
https://note.com/nijuoti/n/n138568aa2ebf も参考
とかみたいです。
UKでは結構市民権を得ているようですが、USではまだまだということで
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30563669/
こういう記事が。これは(膀胱がんに限らずですが)
ちゃんとした複数の科の医師の説明を
するという重要性について語られたいい論説ですので一読を
(日本の婦人科医にも読ませたい…)