お勉強171:膀胱温存療法とIGRT
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0936655521001485
膀胱がんのIGRTの話。
膀胱がんのIGRTはCBCTとMRIで大分変わりつつあるよう。
膀胱がんのIGRTの意義や、onlineやofflineの
ARTについて色々書いてあって面白いです。
1:膀胱がんは治療中にサイズが変わってくる
2:ステージにもよるが、部分拡大照射と全膀胱照射が
かわらない時もある。(そもそも膀胱部分切除、
という術式もあるのである意味当然)
3:マーカーを入れてもマーカーはがんの縮小で
よく脱落するし、そもそも
腫瘍の真ん中にマーカー入っているのか問題があるとの事
(ただ、サイバーで追尾しているという研究もあるそう)
4:(意義があるかは不明だが)線量増加を安全にできる
5:膀胱に単純にマージンをつけるとなると95%の
存在確率にしようと思うと骨や皮膚合わせだと
2.5㎝マージンも必要!
個人的には今までのマージンでは狭すぎ!
※1.5cmのマージンでPTVを作ると、
皮膚合わせと骨合わせで56%と63%しか、
膀胱壁の変位の95%をカバーすることしか期待できないらしい
しかし、CBCTを用いたマッチングでは、
96%の患者でターゲットのカバーが期待できるそう
6:offlineのやり方としては
・治療計画の膀胱に色々な大きさのマージンをつけた
ターゲットを用意しておいてCBCTで入るように合わせる
・治療計画と、何回かのCBCTからPTVを複数作って
ちかいのに合わせる
・CBCTと治療計画CTを組み合わせて大中小の予想PTVを
作っておく
などなどあるそう。ただ、CBCTを見て
どのターゲットを使うのか、というのを訓練することが必要
7:実際にオンサイトでする
(CBCTだと12分ぐらい、MRIだと40分ぐらいとの事)
だいぶ正常組織の線量が落とせるよう。
個人的には小線源も捨てがたいが、侵襲大きいので
なかなか難しいのも事実。
MRIリニアックは膀胱がんにまさしくベストヒット
と個人的には考えていたので面白く読みました。
2GyFrで64Gyより2.75Gyで55Gyの方がよさそう、
というのをこないだ紹介しましたが、
膀胱がんでhypoが良いのならば、ますますIGRTの
価値が上がるわけで、なおさら期待が膨らみます。
膀胱全摘>膀胱温存療法でも
膀胱温存療法のニーズは間違いなくあるわけで
一部の施設だけでなく、もっといろいろな施設が
チャレンジしてもいい温存療法のフロントラインと
思います。