お勉強242:直腸癌温存/W&Wネタ
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/204608
いわゆるPACIFIC的に直腸癌(MSS)に対して
CRTを行い、そのあとすぐにイミフィンジを加えてみた
というII相試験
(NCCNガイドラインに沿ったCRT、と書いてあるので
おそらく通常分割で45~54Gy程度のCRT?)
modified neoadjuvant rectal cancer (mNAR) score
https://www.thegreenjournal.com/article/S0167-8140(21)00002-5/fulltext
というのがエンドポイントだが、
こちらはヒストリカルコントロールと
ギリギリ優位差に到達せず。
pCRは22.2% cCRは31.1%とそこそこの値。
III相に進むみたいです。
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/205220
こちらはICIが良く効く群(dMMR)に
術前療法としてICIのみ※dostarlimab というanti-PD-1の薬
を6ヶ月して、手術という試験。
奏効率は100%(!)で治療完遂した全員でcCR
追加の手術や、CRTは行わなかったとの事。
うーむ。すごい、という感想。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202202/573788.html
こちらは日本から(原文リンクアリ)
CRT後ニボ。かなり詳細な解析。
実際には全例手術しているが、cCR>pCRで
pCRより、W&Wで直腸温存できる人は多い、と考えると
かなり希望の持てる結果で、患者セレクションが
できる可能性。
論文中に記載があるが、 neoadjuvant rectal scoreが
かなり低い。肉眼的にはpCRの率よりかなり効いているよう。
ニボの効きが悪い人にイピニボ、という試験も
行っているようです。
TNTだけでなく、CRT→ICIというのも魅力的に
なってきているのかもしれません。
最終的にはTNT→CRT→反応良ければICIでW&Wという
時代がやってきて、温存治療は主流になる時代が来るのかも。