お勉強343:局所麻酔で…
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.22.01966
https://twitter.com/TataMemorial/status/1644217444628840448
A landmark trial demonstrating significant improvement in survival in #breastcancer by our Director, Dr Rajendra Badwe. Simple (and inexpensive) injection of local anesthetic prior to breast cancer surgery saves lives.https://t.co/w3lz7rQtYL pic.twitter.com/9veivI4AHC
— Tata Memorial Centre (@TataMemorial) April 7, 2023
業界に衝撃を及ぼしている論文
これまたインドから
ネオアジュバント治療をしないで手術をした乳がんで
・術前に腫瘍周囲にリドカインを打つ(手術7~10分前)
・打たない
群で比較した試験(オープンラベルランダム化III相)
およそ1600人をランダム化
リドカインは前後、左右、表面・深部の6か所取り囲むように打つ
rationaleとしては、リドカインのNaチャンネルブロックが
転移に働くpathwayをブロックする、というデータがあるらしい
閉経状態、腫瘍サイズ、治療施設は考慮してランダム化
治療後の治療も両群ちゃんと行う
(と書いてるが、地域的なものもあるのか、
RTや抗Her2療法ちゃんとできていない症例もある。
ただ、両群ほぼ同等な割合なので結果には影響しなさそう)
プライマリーエンドポイントはDFS
セカンダリーエンドポイントはOS
結果としては
リドカイン投与群vs.非投与群で
5年DFS 86.6%/82.6% HR:0.74; 95% CI, 0.58 to 0.95; P= 0.017
5年OS 90.1%/86.4% HR:0.71; 95% CI, 0.53 to 0.94; P= 0.019
とOSにも差がついてしまった…
様々なサブグループで同様の傾向
局所再発・遠隔再発ともに統計学的には優位ではないが
リドカイン投与群のほうが低い(特に遠隔再発は大きい差:Twitter参照)
筆者らは非常に簡便で、安価な方法で20%以上の
リスク低下が得られることは世界的に大きなインパクトである
と主張(実際、私もそうだと思う)
他のがんでどうなのかは非常に気になるところ…
膵癌とかでも成功ならすごいことだが…
しかし、インドいろいろ突っ込むところはあるが
いい臨床試験をやっているなぁ、という感じ。
高い薬がやたらもてはやされるのが時代ですが、
そんなものを乗り越えてくる、こういう試験が好きです。